スポーツ用品大手の李寧体育(上海)有限公司はこのほど、「寧珈琲NING COFFEE」の商標登録出願の手続きを行ない、コーヒービジネス進出の意向を明らかにした。
李寧公司の決算によると、2021年末時点で李寧の直営店は7137店ある。その一方で、コーヒーチェーンの瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)の中国店舗は約6千店、スターバックスも約5千店で、寧珈琲が全面的に事業を展開すれば、店舗数で多くのコーヒーブランドを圧倒することになる。
メディアの報道によれば、李寧公司はコーヒー事業展開の意向を認めており、さらに直営店内でコーヒーサービスを提供して、顧客がショッピングでより快適さを感じ、より充実した体験ができるようにするとの方針も明らかにした。現在、北京市、広東省、福建省厦門(アモイ)市などのエリアの一部の直営店では買い物をすると無料で寧珈琲のコーヒーを1杯もらえるサービスを展開しており、李寧のコーヒービジネスの一端をうかがうことができる。
業界関係者によると、中国のコーヒー市場は質の高い消費の段階に入り、新ブランドが続々誕生している。これまでは長らく海外ブランドが中心で、挽きたてのコーヒーを提供する店の中ではスターバックスなどのコーヒーチェーン企業が大勢のファンを抱える一方で、マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなどのファーストフードチェーンおよびコンビニチェーンもコーヒー商品を打ち出している。この2年間近くほどは、中国発のコーヒーブランドが急速に台頭し、今やコーヒービジネスのレース場には新ブランドが次々登場し、イノベーションも次々に行われ、業界全体でますます競争が激しくなっている。
李寧公司の前にも、2大石油大手の中国石化と中国石油、中国郵政、万達集団、同仁堂、狗不理などさまざまな業界のリーディングカンパニーが、相次いで業界の垣根を越えてコーヒービジネスに手を広げてきた。
米ビジネスコンサルティング会社のフロスト&サリバンのデータによると、中国のコーヒー市場は2013年から2018年にかけて高度成長を遂げ、複合年間成長率は29.54%に達した。2023年になると市場規模は1806億元(1元は約19.1円)に拡大する見込みという。
中信証券によると、現在の中国の1人当たり年間コーヒー消費量はわずか9杯で、米国(327杯)や日本(280杯)などの成熟した市場に遠く及ばない。予想では、2030年の中国大陸部のコーヒー直営店の市場規模は約2千億元に達し、これに対応して2020-2030年の複合年間成長率は14%になるとみられ、可能性は非常に大きいという。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年5月12日