このほどメディアが伝えたところによると、国際的コーヒーブランドのティムホートンが資本運用によって米国ナスダック市場に上場し、中国法人の時価総額は18億ドル(1ドルは約109.9円)に達する見込みという。「経済日報」が伝えた。
中国市場に進出してまだ2年余りのティムホートンは合併上場を進め、「既存店200数店舗にさらに1500店舗をオープンする」という目標を実現すれば、時価総額が100億元(1元は約16.9円)を突破するとした。今回の驚くべき資本運用は、最近の中国のコーヒー市場における激しい競争と切り離せない関係にある。
今年7月には、ベンチャーコーヒー企業3社が相次いで1億元レベルの資金調達を達成して、各業界の機関投資家の注目を集めた。メディアの大まかな説明では、ここ半年ほどの間に、13のコーヒー店ブランドが合わせて17回の資金調達を達成し、投資に参加した機関投資家は20数社あり、その中にはセコイアキャピタルのようなトップレベルのベンチャーキャピタルも含まれていた。
コーヒーがこれほどの「集金力」を見せる背後には、一体どれほどの市場が隠されているのか。コンサルタント会社が発表したデータでは、2020年の中国コーヒー市場規模は3千億元で、25年は1兆元に達する見込みだ。中国コーヒー業界投資の見通しに関する報告書によると、中国のコーヒー消費量がここ数年は15-20%の高い成長率を遂げ、世界平均の2%を大幅に上回るとともに、1人あたりの飲用回数についても中国市場にはなお大きな成長の可能性があるという。
コーヒーブランドの業績を見ると、トップに君臨するスターバックスの中国市場第3四半期売上げは前年同期比45%増加し、スワイヤ(太古)・コカコーラの今年上半期のコーヒー業務は同124%増加し、「起死回生」をはかる瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)は全国の店舗数が5200店を超えた。中国市場に進出して2年しかないティムホートンは全体で黒字を達成した。市場に見られるこうしたさまざまな好材料が、資本が次々にコーヒー市場に流れ込むための「導火線」の役割を果たした。
確かに、中国ではコーヒーの普及率はまだ低く、欧米諸国に比べれば大きな可能性がある。特に若い人とサラリーマンのコーヒーニーズが増加する中で、コーヒーの形態の多様化とコーヒーを取り巻く環境の変化を受けて、起業家や資本がこの新しい消費理念とそれによってもたらされる巨大な市場に注目するようになった。
「コーヒーの新勢力たち」について言えば、資本の後押しを受けて発展を加速させるのは悪いことではないが、一時的な人気が過ぎても倒れないために、自分自身で「血液」を造って自分で立たなくてはならない。コーヒー店舗の運営は収益が出るまで長い時間がかかる。製品、理念、スタイルで絶えずイノベーションを図り、ブランドの位置づけとターゲットとなる消費者を正確に探り当て、適切な価格を打ち出して消費者が喜んでコーヒーを飲むようにしなければ、最後に笑うことはできない。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年8月24日