バイデン大統領が新駐中国大使にニコラス・バーンズ氏を指名することを決定したと、ホワイトハウスが20日の声明で明らかにした。中国新聞網が伝えた。
声明によると、長年外交官としてキャリアを積んできたバーンズ氏は、現在ハーバード・ケネディスクール教授(外交・国際関係学)を務めている。これまで国務次官、駐ギリシャ大使、駐NATO大使などを歴任した。
第13代駐中国大使へのバーンズ氏の指名は、中米関係にどのような影響を与えるのだろうか。
■対中関係対処がバーンズ氏の試練に
豊富な外交経験を持つバーンズ氏だが、対中関係への対処には、その経験が「なじまない」のではないかと懸念する声がある。
バーンズ氏は対欧州で比較的豊富な外交経験を持っているため、対欧州で比較的成功したアプローチで中国にも対処する可能性を指摘するメディアがある。だが中国は欧州ではない。就任後、欧州に対するアプローチを対中関係にも単純に適用した場合、対中理解に偏見が生じる恐れもある。
駐中国大使は一貫して「重要だが困難な」ポストと見られてきた。中米関係が日増しに複雑化している現在では、なおさらにそうだ。
米国家安全保障会議(NSC)にも国務省にも、中国問題を専門に担う大規模なチームがある。これはバイデン政権が中国問題を極めて重視していることを示している。
つまり、駐中国大使として、ブリンケン国務長官やサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と協力するだけでなく、ケリー気候変動担当大統領特使やキャンベルNSCインド太平洋調整官とも話し合う必要があるのだ。これはバーンズ氏にとって、大きな試練でもある。
だがアナリストは、民主・共和両政権で力を尽くし、重用されたバーンズ氏は、党派を超えた支持を比較的得やすいと見ている。
■バーンズ新大使は中米関係を緩和できるか?
オバマ政権の財務省駐中国経済・金融特使を務めたデイビッド・ダラー氏は、バイデン政権のバーンズ氏指名について、バイデン大統領が両国間の交流に真剣に対処していることを示す、中国へのポジティブなメッセージである可能性を指摘する。
香港紙・大公報は専門家の分析として、「米国は今後も数年間は厳しい経済的苦境に直面するだろう。客観的に見て、バイデン政権には中国との関係を緩和し、協力を強化する必要性がある」と報じた。
現在の状況を見ると、バイデン政権は軍事・イデオロギー面では対立を煽り、経済・ハイテク分野では中国と競争し、新型コロナ対策や気候変動などの分野では協力するという「選択的競争」を取る傾向がある。
順調に任命された場合、今後数年間、中米関係においてバーンズ氏が一体どのような役割を果たすのか、なお観察する必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月23日