習近平国家主席は9日、ドイツのショルツ首相とテレビ会議の形式で会談を行った。新華社が伝えた。
習主席は「現在、国際情勢が複雑に変化し続け、世界の安全保障と発展が直面する困難と課題が著しく増加しており、激動と変化の時代にさらなる安定性と確実性をもたらすことが急務となっている。中国とドイツは共に重要な影響力を持つ大国だ。現在の情勢の下、中独が両国関係の健全かつ安定的な発展を維持し、中独関係の持つ安定的・建設的・先導的役割をしっかりと果たすことが特に重要であり、これは両国民に利益をもたらすだけでなく、世界の平和と安寧にとっても重要な貢献となる」と指摘。
「過去50年間、中独関係は高水準の運営を維持し、双方は実務協力の継続的深化を通じて共同発展と相互成果を実現してきた。その鍵となったのは、相互尊重と協力・ウィンウィンの堅持だ。この貴重な経験と重要な原則を、終始変わらずに堅持していく必要がある。中国としては、中独関係の発展という初志に変わりはなく、ドイツ側との協力強化という真摯な願いに変わりはなく、中独がさらに多くの有意義で大きな事を共同で成し遂げることへの自信に変わりはない。双方は対話と協力という主たる基調を堅持し、二国間対話・協力制度を活用し、気候変動対策、マクロ経済政策、金融安定、エネルギー安全保障、食糧安全保障、産業チェーンとサプライチェーンの安定など各分野で対話を行い、中独関係の持つ意味を豊かにし続けていくべきだ。真の多国間主義を提唱し、国際公正・正義を守り、手を携えて国際問題における国連の中心的地位を守り、国際関係の基本準則を守り、開かれた世界経済の構築を推進し、世界の均衡ある協調的かつ包摂的な発展を促進する必要がある。ドイツ側が、グローバル発展イニシアティブとグローバル安全保障イニシアティブを積極的に支持し、これに参加し、人類運命共同体の構築を後押しすることを歓迎する」とした。
また「中国と欧州は包括的な戦略的パートナーであり、互いにチャンスであり、共通利益が溝を遥かに上回る。中国はEUの戦略的自律性を支持する。中国・EU関係は、第三国を標的にせず、第三国に依存せず、第三国に束縛もされない。これは双方が長期的に堅持すべき戦略的共通認識だ。地政学的危機を前に、対話と協力を提唱し、中国・EU関係の安定性をもって国際情勢の複雑な変化に対応する。パンデミック後の回復という難題を前に、発展戦略の連携と政策調整を強化し、中国・EU協力の開放性をもって世界経済の底打ちと成長を促進する。ドイツ側が中国・EU関係の安定的かつ健全な発展に積極的な役割を果たすことを希望する」と強調した。
ショルツ首相は「近年、ドイツと中国の関係は非常に良好に発展している。双方は良き伝統を継承し、両国関係の良好な発展の勢いを推進し続けるべきだ。ドイツは、多国間分野で中国側と意思疎通や調整を強化し、EU・中国関係の積極的発展を推進することを望んでいる」とした。
両国首脳は、ウクライナ情勢についても踏み込んだ率直な意見交換を行った。習主席は「中国は常に平和の側に立ち、物事自体の理非曲直に基づき、自主独立的に判断するとともに、一貫して自らの方法で和平交渉を促進し、事態の沈静化を後押ししている。ウクライナ危機は、欧州の安全保障を再び重大な岐路に追いやった。紛争が激化・拡大し、収拾不能な事態を招くことを全力で回避する必要がある。欧州側は歴史的責任感と政治的知恵を示し、欧州の長期安寧に着眼し、責任ある方法で問題解決の後押しを図る必要がある。欧州の安全は、欧州人が自らの手中に掌握すべきだ。中国は、欧州側が和平交渉促進の過程で積極的役割を果たし、均衡の取れた、実効性のある、持続可能な欧州の安全保障構造の最終的な構築を後押しすることを支持する。中国は、和平交渉の促進に資する国際社会のあらゆる努力を歓迎する。関係各方面はロシア・ウクライナ双方による交渉を通じた和平実現を支持するべきだ」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年5月10日