デジタル経済は農業経済、工業経済に続く主要な経済形態だ。国務院はこのほど、「第14次五カ年計画デジタル経済発展計画」を通達した。中国デジタル経済の発展の現状と情勢はどうか。同計画が取り上げた重大な任務と重点プロジェクトは何か。同計画の実施をどのように推進するか。こうした疑問をめぐり、国家発展改革委員会の関係責任者に取材した。「光明日報」が伝えた。
同責任者によると、第13次五カ年計画(2016-20年)期間中、中国はデジタル経済発展戦略を踏み込んで実施し、経済社会を牽引するデジタル経済の役割がますます顕在化した。特に新型コロナウイルス感染症の期間中に、新業態と新モデルが急速に発展し、デジタル経済は経済社会の持続的で健全な発展に向けて力強い大きな原動力を提供した。
データを見ると、2020年の中国デジタル経済中核産業の付加価値額が国内総生産(GDP)に占める割合は7.8%に達した。産業のデジタル化に向けたモデル転換が緩やかに推進され、より多くの企業が「クラウド」へ足を踏み入れた。同時に、ECが勢いよく発展し、モバイル決済が広く普及し、オンライン学習、遠隔会議、オンラインショッピング、動画中継などの生産・生活の新スタイルが加速的に普及し、インターネットプラットフォームが日に日に大きく成長した。
同責任者は、「第14次五カ年計画(2021-25年)期間には、新たな科学技術革命と産業の変革が深く発展するにつれ、デジタル経済が世界各国にとって発展の新たなチャンスをつかまえ、国際競争力の新たな優位性を形成するための焦点になった。中国のデジタル経済発展は踏み込んだ応用、規範的発展、包摂・共有の新たな段階へと転換しているところだ。新たな時期、新たな情勢、新たな挑戦に直面する中、デジタル経済には発展の新たな原動力を育成し、経済の質と効率を引き上げるためには、大いに活躍する余地がある」との見方を示した。
同計画は、25年をめどに、デジタル経済が全面的な拡大発展期に突入し、デジタル経済中核産業の付加価値額の対GDP比が10%に達し、デジタル化イノベーションの牽引力・発展力が大幅に向上し、スマート化のレベルが大幅に強化され、デジタル技術と実体経済との融合が著しい成果を上げ、デジタル経済のガバナンスシステムがより整備され、中国デジタル経済の競争力と影響力が緩やかに上昇することを目指す、との目標を明確にした。
同責任者によると、同計画は第14次五カ年計画期間の中国デジタル経済発展の全体的計画として、次の8点を打ち出した。(1)デジタルインフラの最適化・高度化(2)デジタル要素が持つ役割の十分な発揮(3)産業のデジタル化モデル転換の力強い推進(4)デジタル産業化の加速的推進(5)デジタル化した公共サービスのレベル向上(6)デジタル経済ガバナンスシステムの整備(7)デジタル経済セキュリティシステムの強化(8)デジタル経済をめぐる国際協力の拡大。
また同計画はデータ要素市場の育成、産業のデジタル化モデル転換の踏み込んだ推進といった重点分野に焦点を当て、データの質向上、デジタル技術のイノベーション・ブレークスルー、デジタル経済の新業態の育成、新型スマートシティとデジタル農村建設などの重点プロジェクト11件を策定した。
同責任者はさらに、「国家発展改革委員会は今後、各関係当局、各地方とともに、デジタル経済発展の部門間協調メカニズムを構築し、情勢の検討判断を強化し、重要問題を協調して解決し、資金面の支援を拡大し、デジタル経済の弱点部分への投資を強化し、デジタル経済の発展を制約する短所とボトルネックを打ち破っていく。同時に、国民全体のデジタル面の素養と技能を引き上げ、デジタル人材の育成を強化し、テスト事業・モデル事業を実施し、デジタル経済の発展に適応した経験・手段と制度的成果の構築を模索するとともに、監督管理及び評価を強化する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年1月19日