【はじめに】中国共産党創立100周年祝賀大会で、習近平総書記は、党と人民を代表して、「全党、全国の各民族の人民の持続的な奮闘を経て、中華の大地で小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に完成させるという1つ目の100年の目標を達成し、絶対的貧困の問題は歴史的な解決をみた。今は、社会主義現代化強国を全面的に完成させるという2つ目の100年の奮闘目標達成に向けて、意気揚々と邁進している」と厳かに宣言した。
小康社会の完成度は、農村を見れば分かるものだ。農業が発展しているか、農村が美しいか、農民が豊かな生活を送っているかなどは、小康社会の全面的な完成の質と社会主義現代化の質を左右する要素となる。
人民網日本語版では、「農村を訪ねて『小康』を感じよう」をテーマにしたシリーズ記事を掲載し、中国の広大な農村で生じている生産や生活における大きな変化、そして人々がしっかりと実感している獲得感と幸福感、安心感を紹介していく。また新時代における美しい農村ののどかな風景や小康社会を全面的に完成させた農村の物語を描き出していく。
貴州省遵義市播州区花茂村の地名は元々「荒茅田」だった。地名からもその土地は以前は荒れ果てており、山奥の貧困村だったことが分かる。しかし、今の花茂村は完全にその姿を変えており、村に入るとすぐに、花や植物が茂る生気にあふれる景色が目に飛び込んでくる。
花茂村では製紙の伝統が1000年に渡り受け継がれており、その技術は今では中国の無形文化遺産に指定されている。製紙技術は一時、後継者がおらず、失われてしまう危機にさらされたものの、村に戻って起業するよう若者に奨励したほか、村のベテラン職人や農民書画家、出稼ぎから戻って来た農民などが製紙の業界に参入した。さらに、大学生が「花茂人家製紙工坊」を立ち上げ、伝統の製紙技術を受け継いだだけでなく、イノベーションを実施し、現代の人の美意識や消費のニーズにマッチした商品を開発した。そして、ノートや便せん、油紙傘などの文化クリエイティブグッズが、花茂村で発展する農村観光の「代名詞」となり、観光客の間で大人気となり、伝統手工芸に新たな息を吹き込んでいる。
花茂村には製紙や陶芸文化のような無形文化遺産産業だけでなく、農村観光も急速に発展しており、郷土料理を味わうことができるレストランだけでも18軒あるほか、民宿も5軒ある。また、野菜を栽培する温室や観光農業などの産業も発展している。多くの若者は出稼ぎに出る必要はなくなり、故郷で起業したり、就職したりできるようになっている。農民の1人あたり可処分所得は2014年の1万948元(1元は約17円)から2020年には2万226元まで増加し、村民の生活は豊かになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年8月31日