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生態系保護を観光ブームにつなげる青海省

人民網日本語版 2021年07月14日14:47
生態系保護を観光ブームにつなげる青海省
チャカ塩湖の風景。チャカ塩湖公式ウェブサイトより。

青海省の省都・西寧を出発し、青蔵道路を西へ2時間行くと、青海湖に到着する。陽光が青く輝く湖面を照らし、きらめく光を反射させている。

安徽省宣城市から観光で訪れた王萱さんは遠くの風景にカメラを向けてシャッターを切り、「ここは本当に美しい。来た甲斐があった」とした。

気候変動や人類による活動など様々な要因の影響で、青海湖の環境は一時期、深刻に悪化していた。生物資源は急激に減少し、周辺の草原は砂質化し、湖は水位が下がり続けてその面積が縮小する一方だった。

自然保護区を設置し、魚を繁殖させるため湖での漁を禁じ、青海湖の保護を国立公園主体の自然保護区の整備に組み込むなど、長年の努力を経て、青海湖の生態環境は改善され続け、生態的・社会的に有益な効果が日増しにはっきりと現れるようになっている。

「子供の頃の青海湖が戻ってきたのを目の当たりにして、どれほど嬉しいか、言葉では言い表せないほどだ」と語るのは、海南チベット族自治州共和県農牧業綜合刑偵執法大隊の李朝偉隊長で、彼はこの青海湖の近くで育ったという。李隊長と隊員3人は、青海湖南岸186キロの湖岸線のパトロール任務を担っている。「現在密漁は年3回を超えることはない。『青海湖裸鯉』の資源量は昨年末に10万トンを突破した。これは今世紀初頭と比べ約40倍の増加だ」としている。

今年のメーデー連休中、青海湖景勝地を訪れた観光客は延べ4万5000人で、観光による収入は516万5000元(1元は約17円)に達した。

こうした成果を目にし、地元の農牧民は、「豊かな自然は金銀同様の価値がある」ことを一層実感するようにもなっている。

車を西へ走らせ続け、草原を抜け、雪山を越え、ゴビ砂漠を渡ると、紺碧に透き通るチャカ塩湖が目に飛び込んでくる。青い空と白い雲を背景に、まるで仙境のような「天空の鏡」が毎年数10万人の観光客を惹きつけている。近くの巴音村の各家庭も、発展した観光業のおかげで生計を立てている。

巴音村に入ると、村道は整備され清潔で、広場は広々としてにぎわい、明るい窓の小さな建物が並ぶ。村民の申徳屏さんは手に持った花の種を門前の庭に蒔いていた。庭を美しくすることで観光客を惹きつけることができるし、自分でも見ていて嬉しいのだという。

近くのチャカ塩湖のおかげで、 かつて農牧民として働いていた人々は、次々に家族経営のゲストハウスを手掛けるようになっており、客室だけで328部屋にもなっている。観光客により快適な滞在をしてもらうため、村では力を合わせて調理、民宿、普通話(標準中国語)など様々な研修を行っている。

巴音村の変化は村の姿だけでなく、皆の心により表れている。村の婦女連合会の会長に再選されたばかりの申徳屏さんによると、村人達は清潔さを心がけることも含め、競い合うと同時に助け合いもして、以前より一層親密な関係になったという。

「私達は引き続きチャカ塩湖観光を中心に据えて、民宿の統一的管理の推進に力を入れ、サービス水準を高めて、村人達の暮らしがさらに良くなっていくようにする」と、村に駐在する幹部の趙福昌さんは語った。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年7月14日

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