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今年の中国大学入試の作文問題で、ドラマ「覚醒年代」が再び話題に

人民網日本語版 2021年06月10日13:13

中国大学統一入学試験(通称「高考」)の語文(国語)試験が今月7日に実施され、作文の出題内容が明らかになると、人気ドラマ「覚醒年代」がネット上の検索ランキングに登場した。なぜならば、今年の高考の作文のテーマは、「共産党の歴史」だったからだ。放送開始から人気を集めていた「覚醒年代」はちょうど、陳独秀や李大釗などが、100年前に中国共産党を結成した、正義の血が沸き立つ、偉大な歴史を描いており、「覚醒年代」の余韻に浸っていたネットユーザーからは、「今年の高考の作文はラッキー問題だ」という声があがっている。

中央テレビ局(CCTV)の司会者・撒貝寧は以前、番組「開講啦(Voice)」で、「『覚醒年代』の史料は、高考の試験問題にも出て来るに違いない」と予想していた。そして、高考の国語の試験問題が配布されるや、「覚醒年代」を見たことがある受験者らは、「ラッキー」と心の中で大喜びした。

雲南省、四川省、貴州省、西蔵(チベット)自治区、広西壮(チワン)族自治区の作文のテーマは、「中国共産党が歩んだ100年の歴史」で、「『可為と有為』に対する理解を書きなさい」という問題だった。ある受験生は、「『覚醒年代』の感想文を書いたようなものだ」と話した。

また、山東省、河北省、湖北省、湖南省などのテーマは毛沢東の「体育の研究」で、ネットユーザーからは、「『覚醒年代』の『精神を洗練させ、心身を強くし、心力と体力を一体にすれば、世の中には不可能なことはない』というセリフをそのまま書けば良かった」との声が寄せられている。

今回の高考の作文では、「覚醒年代」の内容をどれほど使うことができたのだろう?海南省と遼寧省、重慶市の高考には、「人」という漢字に関するイラスト問題があった。そこには、「覚醒年代」の辜鴻銘の「中国人の温和善良」という部分をそのまま使えるという声もある。一つの国の内在的精神文明こそが、民族がいつまでも繁栄するための根本的な要素だとする内容だ。

「人」とは何なのだろう?分別のある人は和して同ぜずも、口げんかの後はお辞儀をする。これが分別のある人だ。

また、学問教養ある「人」は、友人と互いに労わり合うことができ、相手の顔を見ると、笑顔になるものだ。ドラマの中で、蔡元培は、陳独秀に、北京大学の文学部長になるよう3度要請する。そして、二人が大雪の北京でついに出会った時、しっかりと抱き合いながら、相手の服に付いた雪を払う。そこに偶然居合わせた外国人の画家は、そのシーンを描いた。その絵を見ると、学者の謙虚さ、大志、気骨を感じることができる。

「覚醒年代」は、1915年に「青年雑誌」が創刊され、1921年に「新青年」が中国共産党の機関紙となり、新文化運動、五四運動を経て、中国共産党が創立されるまでの歴史を描いている。

コミュニティサイト・豆瓣のあるユーザーは、「歴史がテーマで中国の国策を反映させた主旋律作品である上、最初から最後まで、文化人の演説、会議、議論、争い、罵倒が続くドラマなのに、見ていてなぜこんなにスカッとするのだろう?」とコメントを寄せている。

「覚醒年代」は、これまでの主旋律ドラマとは異なり、道理ばかり説いていて、視聴者が共感を覚えるための土台がないようなドラマではない。「覚醒年代」は、この100年の間にあった物語だけを描き、なぜ、若者が強ければ、中国も強くなるかを、時空を超えた視点から今の若者たちに伝えている。

以前は、陳独秀しか知らなかったという人も、その息子の陳延年と陳喬年のことを知れば、上海烈士陵園に赴き、献花し、哀悼の意を表したいと思うようになるだろう。ドラマ製作者側は関連商品を発表していないが、ネットユーザーたちは自らネット上で影印本の「新青年」創刊号を購入し、関連商品をコレクションし始めた。さらに、当時の痕跡を探し求め、博物館に足を運んだ人もいる。

こうした現象を見ても、視聴者はドラマの真意を理解していることが分かる。

高考の作文問題がきっかけで、「覚醒年代」が再び大きな話題になっている。そしてそれは実のところ、多くの人が思いを一つにし、結束力を示すという非常に貴重な機会となっている。

「覚醒年代」のラストシーンを見て、多くの人は、「あの時代に本当に行ってみたい」など、ドラマが終わってしまうのを惜しんだ。どこまでも暗く、無力な時代などにどうして行きたいのかという意見もあるだろう。しかし、視聴者が「行きたい」としているのは、偉大な人物が次々と登場し、文化人が栄耀栄華をうち捨て、国を救う運動に身を奉げたロマンチックな覚醒の時代なのだ。

あるネットユーザーの「『覚醒年代』の続編はあるのだろうか?」のコメントに対する、「私たちの今の幸せな生活こそが、その続編だ」という答えに、ネットユーザー1万人以上が「いいね!」を寄せている。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年6月10日 

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