中国国家衛生健康委員会の6日の発表によると、5日の時点で、31省(自治区、直轄市)と新疆生産建設兵団から報告された新型コロナウイルスワクチンの接種回数は7億6306万回に達した。
同委員会の曾益新副主任は6日の取材に対して、4日の時点で、中国が海外に供与、輸出したワクチンは3億5000万回分に達していることを明らかにした。
中国は、新型コロナウイルスワクチンの研究開発、生産、使用などの面で、世界との協力を積極的に展開している。一部のワクチン研究開発機関はアラブ首長国連邦やブラジル、ウズベキスタン、フィリピン、パキスタンなど、約20ヶ国の関連機関と協力して、第3相試験(フェーズ3)を展開している。また、一部のワクチン研究開発機関は、海外の企業と協力してRNAワクチンの研究開発を展開している。その他、一部のワクチン研究開発機関は、感染症流行対策イノベーション連合 (CEPI)から資金援助を得て、フェーズ2、フェーズ3を海外で展開している。
生産の面を見ると、中国のワクチンメーカーは、多くの発展途上国と協力して生産を展開し、その大規模生産を急ピッチで進めている。一部の企業が生産した原液はブラジルやインドネシア、エジプト、アラブ首長国連邦、パキスタン、マレーシアなどに輸出され、成分調整や容器への充填などの「製剤化」が行われている。
供給の面を見ると、中国はワクチンを国際公共財と見なし、発展途上国でのアクセシビリティやアフォーダビリティを促進するために貢献するとの意向を率先して示した。今月4日の時点で、中国は3億5701万回分のワクチンを80ヶ国以上に供与し、40ヶ国以上に輸出してきた。中国の不活化ワクチンや組換えタンパクワクチン、ウイルスベクターワクチンは、90ヶ国・地域以上で販売が始まる、または緊急使用が承認されている。
世界保健機関(WHO)は5月7日と6月1日に、中国国薬中生北京所(シノファーム)製と科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルスワクチンを緊急使用のリストに追加した。つまりこれは、中国のワクチンの安全性と有効性が証明されたということで、世界のワクチン分配が不均衡であるという問題緩和を助けることになると期待されている。
曾副主任によると、チリやブラジルで行われた研究により、シノヴァク製のワクチンは有効性が高いことが確認されている。
ブラジルのセラーナ市では、18歳以上の住民がシノバック製の不活化ワクチンの接種を受けた後、新型コロナウイルス感染による死者数が95%減、発症者が80%減、入院患者は86%減となった。同研究では、ワクチン接種開始時は、現地の感染者数はやや増加していたものの、接種率が75%に達すると、感染者が出ても他者への感染が減り、感染拡大が起こりにくくなる事が確認された。
曾副主任は、「周辺地域では、感染拡大が続いていた時も、セラーナ市では感染が抑制されていた。この結果には、元気づけられ、ウイルスに勝利する希望の光を見ることができた」と強調する。
中国国内の接種状況を見ると、ワクチンは安全性も高いことが分かっている。統計によると、中国が現在展開しているワクチンの大規模接種において、副反応報告件数は10万回当たり11.86件。うち、一般的な副反応が83%、異常反応が17%を占め、アナフィラキシーに至っては、10万回当たり0.07件にとどまっている。
曾副主任は、「関連当局が常に、新型コロナウイルスの変異とワクチンの有効性などに注目している。ウイルス変異が現有ワクチンの有効範囲を超えれば、ワクチンをすぐアップデートする」と説明した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年6月7日