プロの「ペット探偵」、人呼んで「毛利小五郎」の月収は数万元 (2)

人民網日本語版 2021年03月01日14:11

その痕跡に沿って、上に上がって行くと、17階にもネコの痕跡があり、18階で大量のネコの足跡と毛を発見した。18階にはドアが4つあり、開いていたのは2つだけ。1つは機械室のドア。その中は湿気が高く、ネコがいる可能性は低かった。もう一つはパイプシャフトのドアで、そこにもネコの毛があり、クライアントが飼っているネコの毛の色と全く一緒だった。中にはネコの足跡がたくさんあり、そのためそこにいると判断した。

パイプシャフトは非常に狭くて、嫌なにおいがしていた。ネコ捕獲器を設置して、ネコが出てくるのを待つこともできたが、クライアントはとても焦っている様子だったので、上着を脱いで、その中に入った。そして1時間ほどで、ネコのキャリーバッグでネコを捕まえた。

実際には、この3年、「ネコ探偵」をしていて、喜びの涙を見たこともあれば、完全に絶望した涙を見たこともある。広西壮(チワン)族自治区にネコを探しに行った時、社長は節約のために1日と1晩かかる列車で僕らを行かせた。そして、ネコを見つけた時は、すでに誰かに殺されていて、死体が異臭を放っていた。当時クライアントは、吐いてしまうほど大泣きしていた。もしあの時、1日早く到着していれば、その命を救えたかもしれないと思い、とても残念な気持ちになった。

それからというもの、ネコを探しに遠くへ行かなければならない時は、最速で到着できる方法を選ぶようになった。毎回、ネコが見つかった時は、とてもホッとした気持ちになる。その大きな達成感は、他の仕事では味わえない。

この3年、最も多い日で5匹のネコを探し出した。

ネコを探すのは難しいという人も多いが、僕にとってはイヌのほうが難しい。まず、イヌは活動範囲が広く、イヌを探すために、1日に20‐30キロ歩くというは日常茶飯事。次に、イヌはヒトを怖がらず、迷子になったイヌを誰かが連れ去ってしまった可能性もある。そのため、監視カメラを見て、それを自分たちで調べなければならない。ペットが迷子になった時は、早ければ早いほど見つけやすい。一番いいのは3日以内だ。

業界

「ボロ儲け」状態

クライアントが大衆化

昨年10月、僕は以前のチームを離れて、自分のチームを立ち上げた。メンバーは6人で、全員が小動物が好きな「90後」。最年少のメンバーは20歳だ。

正直言うと、この業界は「ボロ儲け」状態で、正規の業者ではない所も多い。ペットを探す料金は数千元(1元は約16.4円)から数万元まであり、ハイエンド設備を売りにして客を集めて、それを持って現場に行くものの、まじめに探さないという業者もある。この業界はサービス業界で、つまるところクライアントの問題を解決するのが基本。僕は、この業界でやっていくには、口コミが大切だと思っている。

この3年、一番感じているのは、クライアントがどんどん大衆化している点だ。以前は、ネコやイヌ探しを専門の業者に依頼して来るのは金持ちばかりだった。でも、今は、借家に住んでいる人や大学生からの依頼もある。

ペットとは絆ができるもの。一人で実家を離れて働いている人はたくさんおり、孤独を感じやすい。そんな人にとって、ネコやイヌが最も仲の良いパートナーになってくれるからだ。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年3月1日

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