海南省北東部に位置する文昌市は2100年以上の歴史を誇り、同省における古くからある三大集落の一つ。現在、文昌市はロケット発射場があるニュータウンとしてだけでなく、東南アジアから戻ってきた華僑がたくさん住む魅力ある都市としても知られている。ここでは文昌に旅行に行ったら、絶対に行っておきたいスポット、食べておきたい名物料理を紹介していこう!
文昌ロケット発射場でロケットの発射を見学
2020年12月22日、初の飛行試験のため中国文昌ロケット発射場から打ち上げられた中国が自主研究開発した新型運搬ロケット「長征8号」。ロケットは順調に飛行し、試験は大成功だった。(画像は中国国家航天局から)
最近、月面からのサンプルリターンに成功した月探査機・嫦娥5号は、文昌市の東海岸にそびえ立つ中国唯一の低緯度臨海発射場・海南文昌ロケット発射場から打ち上げられた。ワクワクするロケットの発射を見学できるロケット発射場のほか、文昌には、宇宙飛行科学普及館もあり、宇宙飛行に関する知識を学び、中国の宇宙飛行事業の発展の歴史と成果を知ることができる。
絶対に食べたい海南「四大名菜」の一つ文昌鶏
文昌鶏(撮影・王碩)。
文昌には「鶏肉がないと宴会にならない」という言葉があるほど、市民は鶏肉が大好き。鶏肉料理・文昌鶏は「海南四大名菜」の中でも特に人気の料理だ。
文昌鶏の最も伝統的な作り方は「白切」で、鶏を熱湯に浸してやわらかさを保持したまま調理する。肉はやわらかく、香りも濃く、脂がのってはいるものの、脂っこくない。その肉をのせた文昌鶏飯(チキンライス)も、東南アジアの美食として人気がある料理だ。
文昌孔廟を見学して文化・教育を重んじる伝統を体験
文昌孔廟(撮影・高歌)。
文昌には奥深い文化があり、海南省の■南文化(■は門がまえに虫)の発祥地で、「海南で一番の廟」と言われている孔子を祭祀する「文昌孔廟」がある。文昌孔廟は600年以上の歴史を誇り、そこに足を踏み入れると、儒教の文化の濃厚なムードが漂っている。重要な試験の前になると、多くの受験生がここにやって来て合格祈願をしたり、「状元橋」を渡って幸運を祈ったりする。
文南老街を歩いて1920年代にタイムスリップ
文昌の文南老街(撮影・高歌)。
1920‐30年代、東南アジアから帰国した多くの華僑が、この地に東南アジアスタイルの建物を建設した。文南老街の両側の建物の装飾彫刻は、当時の姿を今も残している。
人のリアルな動きを再現する人形劇を鑑賞
文昌の人形劇(撮影・高歌)。
10平方メートルもない舞台の裏で、人形使いが、両手を巧みに動かすと、伝統的な楽器演奏に合わせて、色鮮やかな木製の人形が登場。人のリアルな動きを生き生きと再現したショーが披露される。
文昌人形劇の歴史は古く、 2008年に、第二陣の国家級無形文化遺産に登録された。
華僑の旧宅を見学して文化のコラボレーションを堪能
符家老宅(画像は人民網海南チャンネルから)。
文昌は有名な「華僑の郷」。文昌籍の華僑約120万人が世界の60以上の国や地域に住んでいる。歴史を見ると、多くの華僑が海外で働いて、経済的に余裕ができると、文昌に戻って、中国式と西洋式がコラボする家を建ててきた。符家宅もその一つだ。
1915年に建設された符家宅は、東南アジアの建築スタイルで、その一部には文昌の伝統的な住宅技術の精華も採用されている。100年以上が過ぎた今、すでにこの旧宅には誰も暮らしていないものの、周囲には緑の木々が茂り、植物が黒くなった壁をつたって伸び、今もこの旧宅に命の息吹を感じさせている。
東郊椰林——海岸線に広がる天然のグリーンスクリーン
文昌東郊椰林(撮影・高歌)。
文昌と言うと、ほとんどの人がまず、ヤシの木が茂る東郊椰林を連想することだろう。東郊鎮の海辺にある東郊椰林は、海南省の人気観光スポットの一つだ。そこには、ヤシの木が生い茂っている。見渡す限り果てしのない青々としたヤシの木林は、海岸線に広がる天然のグリーンスクリーンだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月24日