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【中国キーワード】「中欧班列」が中国対外貿易をサポート 互恵・ウィンウィンを加速

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2020年12月08日13:42

国際定期貨物列車「中欧班列」の「東莞常平号」がこのほど初めて広東省東莞市常平鎮の常勝貨物輸送場を出発し、40フィートコンテナ44基に満載した電器・電子製品、防疫用品、家具などの貨物約306万ドル(約3億1885万円)相当分が輸送を開始した。新疆維吾爾(ウイグル)自治区阿拉山口から出国し、カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランドの4ヶ国を経由して、ドイツのデュイスブルクに到着した

中国国家鉄路集団有限公司がこのほど発表したデータによると、11月5日現在、今年の中欧班列の運行本数は1万180本に上り、昨年の年間運行本数をすでに超えた。新型コロナウイルス感染症が世界の物流を滞らせ、国際貿易が大幅に縮小する背景の中、中欧班列は流れに逆らって高い質で常態化した安定的な運行を実現し、沿線の国・地域が感染症に対処し、経済活動を再開するのを効果的にサポートした上に、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定したスムーズな流れを維持する上で力強い支援を提供し、世界経済の復興・発展に原動力を注入した。

活力に満ちたチャンスの道

今年10月11日、中国は新たな鉄道列車運行ダイヤを実施し、中欧班列の路線は73本になった。11月5日現在、中欧班列は欧州21ヶ国・92都市に乗り入れを果たした。互恵・ウィンウィンを加速させ、沿線国の経済貿易協力の深化を推進し、市場のチャンスをより多く生み出している。

ポーランドは欧州の主要な乳製品輸出国の1つだ。今年10月、ポーランドのマワシェビチェから、液体のフレッシュミルクとインスタント粉ミルク計1100トンあまりを満載した中欧班列が出発し、半月後に武漢市に到着した。これはポーランド-中国間の初の乳製品専用列車になった。中欧班列のポーランド側運行会社Hatransのフィリップ・グジェラク最高経営責任者(CEO)は、「感染症の対策期間中には、中欧班列を通じて、ポーランドなどの欧州諸国と中国が経済貿易で連携を維持し、ポーランド製品が中国の消費者の間で人気を集め、ポーランドの経済活動再開の加速にとってプラスになった」と述べた。

ウクライナのインフラ省のクリクリー大臣は、「ウクライナはこれで中国から定期的に運行する直通の貨物便を擁することになった」と興奮気味に話した。今年7月、「武漢-キエフ号」がキエフ市のリスキ貨物駅に到着し、中国の華中エリアからウクライナに直行する初めての中欧班列になった。リスキ貨物輸送センターのポリシュチュク副社長は、「ウクライナには豊富な木材、鉱産物、農業の資源があり、今後こうした製品が中欧班列を通じて中国に運ばれることになり、中国の電子製品、先端機器、農業設備、医療物資などもウクライナに続々運ばれる。中欧班列の急行列車に乗ったことで、ウクライナ経済の発展は新たな原動力を得た上に、今後は欧州とアジアを結ぶ貿易の中でより重要な役割を果たすことになるだろう」と述べた。

オランダ・ノールトブラバント州のベルト・ポーリー副知事は、「中欧班列は沿線国・地域の経済復興を推進し、オランダを初めとする欧州諸国と中国との経済貿易往来がより密接になるよう促進する上でプラスになり、また非常に大きな発展チャンスを持続的にもたらすことになるだろう。蓉欧快鉄(蓉欧国際快速鉄道貨物輸送直行便)のティルバルフ路線では中国から運ばれる貨物は主に電子デバイス、航空製品部品など、復路に中国へ運ばれる貨物は主に自動車部品、完成車、粉ミルク、赤ワインなどで、双方の貿易では製品の種類と数量に極めて大きな可能性がある。中欧班列が活力に満ちたチャンスの道を走り始めたことは、欧州・中国の経済貿易協力の深化にとって力強いサポートを提供することになる」と述べた。

より多くの企業が優先的に選択

輸送量が多く、価格が安く、安定性が高く、乗り入れる国・地域が多い……中欧班列にはこのような多くの優位性があるため、ますます多くの協力パートナーに評価されている。世界の有名海運会社であるデンマークのA.P.モーラー・マースクは中欧班列を通じて、国境を越えた道路輸送、海上輸送、鉄道輸送が連携する輸送方式を結びつけ、日本、韓国、東南アジアなどへ業務を広げている。同社の責任者は、「中欧班列の輸送スピードは海運より速く、価格は空運より安く、市場のポテンシャルは大きい」と話した。

10月には、アウディの完成車82台を乗せた中欧班列「アウディ完成車輸入便」第1便が、ドイツのブレーマーハーフェン港から陝西省・西安市の中国鉄路西安局集団公司の新築駅に順調に到着した。コンテナ埠頭を運営する物流企業のドイツ・ユーロゲートグループのフロリアン・ブランド販売ゼネラルマネージャーは、「当集団は中欧班列を通じて中国にポルシェ、アウディなどのドイツブランド車を輸送している。海運を利用すれば、ブレーマーハーフェンから上海まで少なくとも30日はかかり、上海から重慶などの内陸地域まで、さらに10日はかかる。一方、中欧班列なら半分の時間で済む。顧客の満足度は高く、中欧班列の時間的な優位性が証明されたといえる」と述べた。

9月には、西安鉄路新築駅から中欧班列「韓国LG専用列車」第1便が出発した。韓国LGグループが生産した液晶ディスプレー、電極、アルミニウム箔紙など42ケースを詰め込み、欧州の工場に向かった。昨年7月以降、LGは中欧班列を通じて製品約1100ケースを発送した。LGの関係責任者は、「中欧班列には輸送時間が短い、通関ペースが速いといった特徴があり、より多くの企業が優先的に選ぶ手段になっている」と述べた。

日本の日通国際物流(中国)有限公司経営戦略室の廣田靖室長は、「当社はすでに中欧班列のおなじみのお得意様だ。昨年の時点で、中欧班列によって輸送した貨物は標準コンテナ(TEU)で約2400TEUに達した。中欧班列を選んでからは、当社の物流コストが大幅に低下し、輸送の安全性、安定性、効率が高まった」と述べた。

今年の中欧班列はすでに運行数1万本以上 中国の対外貿易安定をサポート

ここ数年、中国から欧州へ国境を越えて鉄道で運ばれるコンテナが増加の一途をたどり、中国が「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国・地域と連携する上で重要な役割を果たしている。

今年初めに突如襲来した新型コロナウイルス感染症が世界中に急速に蔓延し、各国の社会の秩序、経済の発展に大きな影響を与え、海運や空運も一定の打撃を受け、物流能力が制約され、各国間の正常な貿易往来にも影響が出た。そんな中で、中欧班列は重要な局面で優れたリスク対処能力を示し、ユーラシア大陸を横断するという独自の優位性によって中国と欧州各国との往来の「橋」を架けた。中欧班列(義烏-新疆維吾爾自治区-欧州号)のスペイン側運営会社のサンタナ社長は、「欧州の感染症対策に協力するため、『義新欧号』の防疫物資専用列車はスペインにマスク、医療用防護服などの物資を何度も運んだ」と述べた。またスペイン・ガリシア国際関係研究院のリオス院長は、「中欧班列の安定的な運行は、欧州と中国の経済貿易往来を促進し、感染症に対する国際協力を推進する上で重要な寄与を行った」と述べた。

国家発展改革委員会がこのほど発表したデータでは、今年11月5日現在、運行された今年の中欧班列は1万180本に達し、昨年1年間の運行本数を超え、輸送された貨物は92万7千TEUに上り、前年同期比54%増加したという。

連合交通物流会社のユーラシア鉄道同盟(UTLCERA)のアレクセイ・グロム総裁は書面で取材に答えた際、「欧州と中国との間で運行されるあらゆるタイプの貨物輸送のうち、鉄道貨物輸送は感染症の流行中に最も安定した輸送方式だ。この期間中に、鉄道貨物輸送は停止したことがない。当社はカザフスタン、ロシア、ベラルーシ各国で中欧班列の1520ミリメートル広軌の軌間で輸送サービスを提供している」と述べた。

グロム氏は、「中欧班列は今年の中国の安定的な対外貿易の成長にとってプラスになる。中欧貿易の回復を促す基本的な要素は生産と消費ニーズの回復だ。同時に、物流チェーンのすべての関係者の努力も必要な要素だ。当社は手だてを講じサービスの質とサービスのコストを感染症の危機前と同じ水準で維持している」と述べた。(人民網日本語版論説員)

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「人民網日本語版」2020年12月8日

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