北京市が自由貿易試験区を建設する。このほど開催された2020年中国国際サービス貿易交易会で明らかになった重大ニュースだ。北京は科学技術イノベーション、サービス業の開放、デジタル経済を主な特徴とする自由貿易試験区を設立するとしている。
同交易会で8日に明らかになったところでは、北京は自由貿易試験区の建設を推進するため、具体的な実施方法の策定、タイムテーブルとルートマップの一層の明確化を急ピッチで進める。またデジタル貿易と科学技術イノベーションをめぐり、一括した政策を打ち出すという。
今月4日、中国の指導者が同交易会のグローバルサービス貿易サミットで、「北京が科学技術イノベーション、サービス業の開放、デジタル経済を主な特徴とする自由貿易試験区を設立するのを支持する」と発言した。
その数日後、同交易会開催中に平行して行われた複数のフォーラムやフォーラム分科会などで、北京市の関係責任者が北京自由貿易試験区の今後の活動の重点と関連政策を明らかにした。
華中科技大学の教授で、武漢光谷自由貿易研究院の陳波院長は、「北京にデジタル貿易をテーマとした自由貿易区を設立することの意義は重大だ。未来のデジタル経済は各国のコア競争力の現れで、デジタル経済面の開放とイノベーションは中国の戦略的発展の中核的要求になる」との見方を示した。
なぜ北京なのか。一連のデータをみると、北京はデジタル貿易発展で明らかに優位性を備えている。2015年に北京は全国で唯一のサービス業拡大開放総合テスト都市になった。テスト政策に牽引されて、現在の北京のサービス業生産額は域内総生産(GDP)の83.5%を占めるまでになり、全国平均を30ポイント近く上回る。デジタル経済の対域内GDP比は50%を超える。またサービス貿易が急速な発展を続けており、年平均成長率は15%を超える。
中国国際経済交流センター情報部の王暁紅副部長は、「北京のデジタル企業は全国的にトップレベルで、今回のサービス貿易交易会はサービス業の拡大開放に向けた多くの措置を打ち出した。将来は中関村などに国際情報産業・デジタル貿易港を建設し、北京大興国際空港臨空経済区でデジタル経済新業態の参入、デジタルサービス、国際資源の導入などのテスト事業を展開する予定で、全国のデジタル技術分野の開放にとって大いに参考にする価値があるものだといえる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年9月10日