世界風力会議(GWEC)は5日に発表した「2019年世界洋上風力発電報告書」の中で、アジア太平洋地域の指数関数的成長や欧州の持続的な急成長により、世界の洋上風力発電設備容量が2019年末の29.1GW(1GW=1000MW)から、2030年には234GWに激増すると予測した。その時には、中国は英国を抜き、洋上風力発電設備容量が世界最大の国になるという。
同報告書によると、昨年は洋上風力発電業界の発展が最も好調な一年だった。技術進歩と支援策により、世界の洋上風力発電新規設備容量は6.1GWにのぼり、世界の累計設置量が29.1GWにのぼった。中国の昨年の新規設備容量は2年連続の世界一で、記録的な2.4GWにのぼった。英国は1.8GW、ドイツは1.1GWで中国に続いた。
世界の洋上風力発電市場の2013年以降の年平均成長率は24%。昨年末現在、欧州は依然として最大の洋上風力発電市場で、世界の設備容量全体の75%を占めている。同地域は今後も世界の洋上風力発電成長の焦点になる。英国、オランダ、フランス、ドイツ、デンマーク、ポーランドなどのリーディングを受け、2050年に450GWという積極果敢な設備容量目標を掲げた。
アジア太平洋地域及び米国市場はペースを上げており、今後10年に急成長する地域になる。試算によると、中国及びアジア太平洋地域は今後10年の成長を推進する重要な駆動力になる。
GWECのベン・バックウェルCEOは「洋上風力発電はコロナ後に真の世界普及を実現する。世界各国の政府が、同技術が大規模投資を通じ多くの雇用機会を創出し、沿岸部の経済を刺激することで、コロナ後の経済回復と発展を促進できることを認識しているからだ。同報告書によると、今後10年で洋上風力発電を経済回復の発展戦略に組み入れれば、洋上風力発電業界は90万人分の雇用機会を創出する。また1GWの洋上風力発電によりCO2排出量を3.5トン削減でき、多くの地域で最も効果的な排出削減及び化石燃料代替の大規模発電技術になる」と指摘した。
同報告書によると、国際市場が新型コロナウイルス感染症の影響を受けているにもかかわらず、洋上風力発電の発展は好調で、今年の新規設備容量は昨年から横ばいになる見通しだ。洋上風力発電は世界各国政府から、コロナ後の経済回復の主な推進力とみなされている。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年8月6日