新型コロナウイルスによる肺炎が世界各地で突如発生し、拡大している現在、喫緊の課題は連携して感染症と戦うことだ。だが米国の一部の政治屋は故意に新型コロナウイルスを中国と関連付け、現在の感染症を「武漢肺炎」「中国ウイルス」と呼び、スティグマタイゼーションに力を入れている。こうした極めて不道徳で無責任な言動は、自国の感染防止・抑制に無益であるのみならず、世界が団結・協力して感染症と戦ううえで重大な妨げとなる。中国側はこれに強く憤り、断固として反対し、米側に対して、直ちに過ちを正すとともに、いわれなき対中非難を止めるよう促している。(人民日報「鐘声」国際論評)
ウイルスは人類共通の試練だ。ウイルスを特定の国と関連付けるのは、国際機関のガイドラインに反する。世界保健機関(WHO)は「新型コロナウイルスの発生源はまだ不確定であり、現在はいかにウイルスに対処し、これを抑え込むかに注目すべきであり、地域をスティグマタイズする言葉は避けるべきだ」と繰り返し表明している。WHOが新型コロナウイルスの名称を「COVID-19」と決めたのは、名称をいかなる地域や国とも関連付けないためだ。米国の一部の政治屋が国際機関のガイドラインを無視し、スティグマタイゼーションに力を入れ、人為的にパニックを造り出すのは、典型的な暗黒心理のなせるわざだ。
ウイルスの発生源は科学の問題であり、科学的、専門的な意見を聞く必要がある。現在、ウイルスのトレース作業はなお進行中であり、最終結論は出ていない。WHOで公衆衛生上の緊急事態への対応を統括するマイケル・ライアン氏はメディアに「どの疾病でも発生源に関しては、どの地にも可能性がある。コロナウイルスは世界中に存在する。我々にとって重要なのは、その地理的発生源をとがめるのではなく、ウイルスにいかに対処し、これを抑え込むかに注目することだ」と指摘する。米ジョージタウン大学で感染症を専門とするダニエル・ルーシー氏は「ウイルスの潜伏期などの要素を考えると、新型コロナウイルスの最初の感染者は2019年11月、あるいはもっと早い時期にすでに出ていたとみられる」と指摘する。ウイルスの発生源がまだ不明な中、米国の一部の政治屋が待ちきれずに他国を非難し、中傷し、真相の探究を許さないのは、一体何の魂胆があるのだ?
全世界の公衆衛生が厳しい試練に直面している。人類は科学によって愚昧を打ち負かし、協力によって偏見を阻止しなければならない。「現在必要なのはパニックではなく慎重さ、スティグマタイゼーションではなく科学、恐れではなく真相だ」。国連のグテーレス事務総長はこのほど各国に再び呼び掛けた。
パンデミックによって、各国のガバナンス能力が試され、また国際協力への各国の参加姿勢もさらされた。米国は自らの政治、医療など各方面に存在する宿痾をすでに露呈した。米国は直ちに問題を直視し、欠陥を補い、全力を尽くして健康と平穏を確保しなければならない。米国市民が若干失望しているのは確かだ。例えば米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長兼グローバル・ヘルス・ポリシー・センター長のスティーブン・モリソン氏は先般「中国の実施した厳しい隔離措置は我々のために時間を稼いだ。我々はこの時間を利用して有益な準備をしたのか?」と米政府を詰問した。中国政府は一貫して米側と情報を共有し、中国の専門家は米国の専門家と診療プロトコルを共有し、中国企業も米国の感染症との戦いを支援すべく尽力している。こうした否定できない事実を前にしてもなお、米国の一部の政治屋はあろうことか再三故意に中国を非難し、そのイメージを悪くすることで、米国民の不満をそらそうとしている。彼らはこうして感染症との戦いにおける国際協力を破壊しているのであり、人々の生命と健康に対して全く無責任だ。
ウイルスはまだ猛威を振るっている。米国の一部の政治屋に対して、中国を非難し、そのイメージを悪くする力を少しは節約し、自国の事をしっかりと行うことに精神を集中し、全世界の公衆衛生上の安全を守るために少しは建設的役割を果たすよう忠告する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年3月20日