感染症との戦いにおいては人種差別に反対すべき

人民網日本語版 2020年02月26日11:02

新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、国際社会では団結・協力し、共に困難を克服するというメインストリームの声が日増しに高まっている。だが、一部メディアは耳障りな声も度々上がっている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がその一例だ。同紙は先般掲載した論説で、新型コロナウイルスによる肺炎と戦う中国の政府と国民の努力を中傷する姿勢を示した。編集者は人種差別的色彩を明らかに帯びた見出し「中国は真の『アジアの病人』」までつけた。耳目を驚かそうとしたようだが、実際には人間として守るべき一線を踏みにじったのだ。(人民日報「鐘声」国際論評)

国際社会の良識ある人々からは、激しい非難の声が次々に上がっている。2月25日までに、ホワイトハウスのウェブサイトには、中国を侮辱する記事を掲載したことについて、同紙の正式な謝罪と記事の撤回または見出しの変更を求める署名が11万5000筆以上集まった。「人種差別は容認すべきでない」。請願の最後の言葉は、署名者達の揺るぎない立場を表明している。同紙の社員53人もこのほど管理職に宛てた書簡で、記事の見出しの変更と謝罪を求めた。彼らは「これは編集の独立性の問題では決してなく、報道と論説の違いの問題でもない。これは間違った見出しであり、中国人を含む多くの人々を怒らせた」と指摘した。同紙の人種差別的行為に対して、読者と専門家らは幅広く認識を共有しているのが分かる。中国側と国際社会が同紙に過ちを正す措置を講じるよう求めるのは、完全に筋の通ったことだ。だが同紙はこうした正義の声を取り合わなかったうえ、社説で詭弁を弄した。態度は傲慢で論理は混乱しており、同紙が道理と正義に背き続けていることを世界にさらに見せつけた。

「大手メディアがこのような考えを示すことで、世界にさらに多くの恐れと焦り、そして中国人その他アジア人に対する一層の敵意を引き起こしうる。これは極めて有害で間違ったことだ」。米カリフォルニア大学バークレー校のキャサリン教授のこの言葉は、同紙の行いの真の危険性を的確に指摘している。感染症に対しては、人種も国境も関係なく世界保健機関(WHO)の呼びかけるように団結して、共に戦うべきだ。人種差別を煽り、中国を侮辱する言論をまき散らすのは、感染症との戦いに貢献している人々を傷つけるだけであり、国際社会にパニックをもたらし、共同の努力を破壊するだけだ。このような記事と見出しは、事実の描写ではなく、事実の歪曲であり、メディアを通じて公共の利益を傷つけるものであり、メディアの傲慢さと偏見を露呈するものだ。

感染症と戦う中国の政府と国民の頼もしい行動は、世界的規模で幅広い尊敬を勝ち取っていることに目を向けるべきだ。これは中国を中傷し、中国のイメージを悪くするいかなる手口によっても変えられない事実だ。新型コロナウイルスによる肺炎の発生後、中国は全国の力を挙げて、自国民の生命の安全と身体の健康を全力で守っただけでなく、感染の世界への拡大を有効に阻止し、全世界の公衆衛生上の安全のために貢献してきた。WHOの新型コロナウイルス肺炎合同専門家チームの外国側トップを務める、WHO事務局長上級顧問のBruce Aylward氏は現地視察後に「我々は武漢市民の貢献を認識すべきだ。世界は武漢に借りがある。新型肺炎が過ぎ去った時に、世界を代表して改めて武漢市民に感謝する機会が欲しい。今回の新型肺炎との闘いの過程において、中国の人々が多くの貢献をしたことを私は知っている」と感嘆した。また、グテーレス国連事務総長も「中国の人々は全人類のために貢献している」と強調した。

報道であれ論説であれ、事実から乖離してはならず、ましてや文明として守るべき一線を破ってはならない。グローバル化の時代においては心を一つにして、協力して感染症と戦ってこそ、一層の合力を形成することができる。人種差別と偏見に固執し、「中国観」の歪んだメディアは、感染症を自らの目的に利用し、連携して感染症と戦う国際社会の環境を破壊している。様々な差別的論調は、世界の正義の人々と正義感あるメディアの力強い糾弾に遭っている。「こうした差別的現象には反感を覚える」「感染拡大の阻止は、差別的行為の放任を意味するものでは断じてない」「差別、侮辱、偏見は疾病の制御に有害な影響をもたらす」。国際社会のメインストリームの声は、「人種差別」という痼疾の発作を阻止することが連携して感染症と戦ううえで当然のことであることを示している。

色眼鏡をかけていては事実は見えない。理性と良識という正しい道を歩んで初めて、健全な世論環境、協力環境を築き、各者の共通利益を広げることができる。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年2月26日

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