根深い人種差別が浮き彫りにする「米国式人権」の極度の偽善性

人民網日本語版 2020年03月17日11:32

「肌の色が米国人の運命の決定において、全てに影響を及ぼす作用を持つことは明らかだ」。米国の学者トーマス・ソウェルは著書『Ethnic America: A History』で、このように深い失望を表明した。米国の人種差別の深い傷口が時につれてふさがれることのないばかりか、ますます深刻化しているうえ、社会の各方面に深く根を下ろしている。中国国務院新聞弁公室発表の「米国人権侵害報告2019」の大量の統計と事実がはっきりと示すように、根深く揺るがない人種差別は米国の白人至上の政治的フレームワークとイデオロギーを暴露し、「米国式人権」の極度の偽善性を浮き彫りにしている。(人民日報「鐘声」国際論評)

「40%を超える米国人は米国は人種の平等の面で十分な進展を得ていないと考え、約58%の人は米国の人種間関係は非常にまずいと考え、約65%の人は近年米国社会では人種主義的発言が広まってきていると表明している」。ピュー・リサーチセンター発表の報告は、米国では人種差別問題が幅広く系統的に存在すると指摘する。人種の平等は米国においては手の届かぬ夢に過ぎない。

2016年以降、米国では白人至上主義が勢いを盛り返し、人種間の対立と恨みの感情が社会に広がっている。米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は「白人至上主義は米国の安全にとって持続的で広範な深刻な脅威となっている」と警告する。アメリカン大学人種差別反対主義研究政策センターのIbram X. Kendi氏は「米国はずっと白人至上テロリズムの危機の中にある。白人至上主義がこのように激しく湧き上がる根本的原因は何か。これは米国にとって避けることのできない問題だ。人種差別の害の根を断ち切ることができなければ、米国社会の悪夢を断ち切ることができないのは明らかだ」と指摘する。

白人至上主義イデオロギーが勢いを強めるほど、米国のエスニック・マイノリティが遭遇する人種差別はより深刻化する。法の前の平等は国際人権章典の基本原則だが、米国の法執行の実践はこれと相反する。米警察がアフリカ系の人を射殺したり残虐に虐待する事件が頻発しており、法執行分野の人種差別は少しも珍しくなく、エスニック・マイノリティの基本的人権はほしいままに踏みにじられている。「現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連する不寛容に関する国連特別報告者」は「米国の法執行当局が殺害または残虐に虐待したアフリカ系の人の数は依然として驚くものであるうえ、追及されることは少ない」と指摘する。

経済分野の人種差別は米国社会の不平等を一層固定化している。米進歩センター(CAP)のウェブサイトは「白人と比べ、アフリカ系などエスニック・マイノリティは就職においてシステマティックな障害に直面し、このことがより高い失業率、より少ない就業機会、より低い給料、より少ない福利、より大きな就業の不安定性を招いている。職業分離と有色人種労働者の持続的な価値低下は政府が意図的に定めた政策の直接的結果だ。過去40年間一貫して、アフリカ系労働者の失業率は白人の2倍だ。米連邦準備制度理事会(FRB)発表の統計は、資産の人種間格差が拡大し続けており、白人家庭の平均資産はアフリカ系家庭のほぼ10倍であることをはっきりと示している。現在の趨勢だと、アフリカ系家庭の蓄積する資産は200年以上かかってようやく白人家庭の現在の水準に達する」と指摘する。

人種差別は社会的分断の必然性を決定づけている。「肌の色決定論」がもたらしている米国社会の分断が、人権蹂躙の具体的現れであることに目を向けるべきだ。米側の一部の者は世界で大いにダブルスタンダードを採用し、人権問題を利用して他国にあれこれ口出ししている。これは覇権の企てがあるのみで、道義と呼べるものなど全くなく、世界の人権事業に対する深刻な冒涜だ。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年3月17日

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