新型コロナウイルス感染による肺炎が拡大してオフラインの実体消費に打撃を与えると同時に、「おうち経済」が短期間で爆発的に成長した。感染期間中、打撃を受けているのはどの消費分野か。ユーザーが大幅に増加しているのはどの分野か。感染が終息すると、反転して大きく伸びるのはどの消費分野か。2月13日、調査研究機関のカンター・グループが新型肺炎流行下の消費者に関する調査報告を発表し、さまざまな予測を打ち出した。「北京日報」アプリが伝えた。
観光と外食が打撃 終息後の反転上昇のポテンシャルは大きい
同報告は24業界を対象に、感染による影響や消費者が終息後に消費意欲を回復するかどうかをたずねた。
同報告によると、感染拡大期間中には、観光、外食、外での娯楽などの業界は消費者が家を出られないため非常に大きな打撃を受けた。この3業界は消費者の約75%が関連の消費をまったく行わなくなり、約17%が支出を減らした。
ただ、この3業界には消費が反転上昇する大きなポテンシャルがある。調査によれば、消費者の82%は「終息すればまた外で外食をする」といい、78%は「また旅行に行く」といい、77%は「外での娯楽を再開する」とした。
消費者は今回の感染状況の中で、一部の品目をこれまでよりも購入するようになった。例えば食品飲料品(40%が支出を増加した)、ハウスクリーニング(48%が支出増加)、医療保険(38%が支出増加。湖北省の消費者は感染拡大期間に医療保険の加入率が全国を明らかに上回った)などだ。こうした品目に対する消費者の購入意欲は終息後も引き続き力強さをみせると予想される。
全体としてみると、このたびの新型肺炎で大きな影響を受けるのはおそらくぜいたく品消費だ。消費者の61%が「感染拡大期間にはぜいたく品関連の支出を減らすかやめる」とし、21%が「終息後もぜいたく品の支出を減らす」とした。
新型肺炎でオンラインショッピングルートの利用者が増加
同報告は小売ルートが感染拡大中と終息後に利用者を増やすか減らすかについても分析を行った。
感染期間中には、消費者は外出しないよう呼びかけられたこと、多くの業者が春節(旧正月、今年は1月25日)連休を延長したことや消費者の生鮮食品の購入量が爆発的に増加したなどの原因により、小売ルートにおける新興のオンラインルートが非常に重要なものとなった。
消費者の55%もが「感染期間中には総合型ECプラットフォーム(例えば天猫<Tmall>、京東、淘宝<タオバオ>など)で買い物をしている」といい、トップのスーパーの58%にあと少しのところまで迫った。家まで商品を届けてくれるO2O(オンライン・ツー・オフライン)ルート(Elema、美団、叮■<口へんに冬>買菜など)も35%が利用し、総合小売店(GMS)の34%をやや上回った。
今回の感染状況で人々は自ら家にこもらなければならず、コミュニティの微信(WeChat)のグループが思いがけない流通のプラットフォームになった。コミュニティの微信での注文(微信のグループで注文し、コミュニティに一括配送)も35%と利用率の高いルートになった。
感染が終息すれば、消費者はどの購入ルートをより好むだろうか。オンラインルートの成長はより力強く、42%が「総合型ECを今後さらに利用する」といい、「利用を減らす」とした人は8%にとどまった。31%が「盒馬を代表とする新小売体験店をもっと利用する」と答えた。オフラインルートでは、36%が「GMSに行く回数を増やす」といい、37%が「もっとスーパーに行く」とした。
言及すべきなのは、今回の感染状況により多くの消費者がこれまで未知の領域だったことに初めて挑戦するようになり、多くの新興業界が浸透率を向上させるチャンスをつかんだことだ。回答者の84%が「新しいサービスを1種類以上試した」といい、その中で最も割合が高かったのはオンライン診療で34%、以下、オンライン教育の33%、テレワークの29%、有料のデジタル娯楽サービスの26%が続いた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年2月15日