中国の水墨アニメが35年ぶりにベルリン国際映画祭にノミネート

人民網日本語版 2020年02月06日12:50
中国の水墨アニメが35年ぶりにベルリン国際映画祭にノミネート

 第70回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門のノミネーションがこのほど発表され、中国の水墨アニメーション短編映画「秋実」がノミネートされた。同映画は中国大陸部からノミネートされた唯一の作品となる。中国の水墨アニメーション映画が世界トップレベルの映画祭にノミネートされるのは実に35年ぶりとなることから注目を集めている。文匯報が報じた。

今回、国際舞台で披露されることとなった「秋実」は孫立軍監督、北京電影学院と上海美術映画製作所、北京盛世順景文化伝媒の共同製作。「秋実」は、8K技術と中国伝統の水墨アニメーション、中国伝統の音楽を革新的にコラボさせ、「中国アニメ学派」の代表ともいえる作品となっている。

同作品は、キリギリスが冬眠するために、食べ物を蓄える様子を描いている。キリギリスは天敵の脅威や他のキリギリスからの冷やかしなどに直面するものの、なんとか食べ物を探し出すストーリーだ。セリフは一切なく、虫と虫の力比べを通して、虫の世界で繰り広げられる生死をかけた戦いを描いている。

中国のアニメーション映画とベルリン国際映画祭は早くから縁があり、上海美術映画製作所が製作したアニメーション映画「三個和尚」が1982年に、「鷸蚌相争」が84年に、同映画祭で短編映画銀熊賞を受賞した。

中国の水墨アニメの歴史は1961年まで遡ることができ、上海美術映画製作所が同年、世界初の水墨アニメーション映画「小蝌蚪找媽媽」を完成させた。しかし、水墨アニメはその製作方法が複雑で、時間がかかり、コストパフォーマンスが低く、関連商品の開発も進まなかったため、1990年前後から影をひそめるようになった。それから30年以上を経て「秋実」がベルリン国際映画祭にノミネートされたことで、「中国アニメ学派」が再び世界の舞台に立ち、さらに注目を集めて、高く評価されるようになるのではと期待が高まっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年2月6日

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