国際航空輸送協会(IATA)のイベント「グローバルメディアデー」がこのほどスイス・ジュネーブで閉幕した。その中でIATAが発表した最新の年次報告書「グローバル航空輸送産業の現状と展望」によれば、今年の中国国内の航空旅客輸送市場は成長率が世界トップだった。中国市場にけん引されて、世界の航空輸送産業の重心が今や加速的に東に移りつつあるという。人民日報が伝えた。
同報告によると、2019年には世界の航空輸送産業の純利益は259億ドル(1ドルは約109.4円)に達し、旅客輸送量はのべ45億4千万人、貨物輸送量は6120万トンだった。世界の航空輸送産業は10年連続で黒字を達成した。中でも中国国内航空旅客輸送市場が前年比8.5%増加し、世界市場の中でトップに立った。20年には世界の航空輸送産業が好転を続け、純利益は293億ドルに達することが見込まれるという。
IATAのチーフエコノミストブライアン・ピアース氏は、「中国経済の急速な発展は、中国国内旅客輸送市場の力強い成長の主要な原動力だ。ここ数年、新興市場の急速な台頭に伴い、世界の航空輸送産業は重心が東へ移るスピードが加速しており、中でも最も主要なけん引力は盛んに発展を遂げる中国国内航空旅客輸送市場だ」との見方を示した。
IATAが昨年発表した報告書「今後20年間の航空旅客輸送予測」によれば、これからの20年間には、新たに増加する旅客の半分以上がアジア・太平洋地域から生まれる。これはアジア・太平洋地域は経済が安定的に成長し、世帯収入が増加し、人口ボーナスがあることによるものだ。中国を離着陸する旅客輸送量と中国国内の旅客輸送量に基づいて計算すると、中国は24年から25年の間に米国に代わって世界最大の航空市場になることが予想される。
運航の安全が今回のイベントの主要な議題だ。IATAの安全・運航運営担当シニアバイスプレジデントのジルベルト・メイヤー氏は、世界の航空の安全の問題に関する報告書を発表した。それによると、19年上半期には、中国を含む北アジア地域では重大事故の発生率がゼロとなり、世界の8つの地域の中で唯一、同率がゼロの地域になったという。イベントに参加した専門家の多くが、「中国民用航空の安全レベルは世界の平均レベルをはるかに上回る」との見方を示した。中国民用航空局は12日に北京で行われた記者会見で、「今年1-11月には、民用航空産業が輸送のための飛行時間101万時間を達成し、汎用航空の飛行時間は9万7千時間に達し、輸送時の航空事故は発生していない」と発表した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月16日