八達嶺長城高速鉄道駅が間もなく完成、長城への影響は?

人民網日本語版 2019年08月30日13:20

京張高速鉄道は9月上旬に総合調整・テストを開始し、年末の開通に向け準備を整える。しばらく前、八達嶺高速鉄道駅の主体工事が全面的に完成した。科技日報が伝えた。

世界文化遺産・長城の観光中心エリアで高速鉄道駅を建設する際に、最も心配されるのは文化財の保護だ。それではこの高速鉄道駅はなぜそこに建設されるのだろうか。どのような新技術を用いているのだろうか。長城は無事だろうか。

中鉄五局京張三標プロジェクト部党工委書記の賈友文氏は「新しい駅の延べ建築面積は4万8800平方メートルにのぼる。環境への影響を最大限に減らすため、メイン駅のすべてを地下に設置する。建築面積は3万9800平方メートル。八達嶺駅は地下102メートルの深さに位置する。中国最大で、京張高速鉄道で唯一の地下駅でもある」と説明した。

八達嶺長城景勝地の入口から対面の高速鉄道駅を見ると、山と融合した長城の矢狭間(やざま)のような形をした入口しか見えない。駅の前は緑地だ。

中鉄工程設計コンサルタント集団の設計者は取材に対し「観光客が景勝地に直接到達しやすいうえ、グリーンな建築の理念を貫き、駅と自然を融合させている。八達嶺長城駅は『自然を尊重し、山に隠れる』という設計理念を採用した。視覚的に、駅を山と一体化させる」と話した。

これほど巨大な地下プロジェクトを建設する際に、中鉄五局は多くの新技術・新工法を生み出した。

中鉄五局京張三標プロジェクト部副チーフエンジニアの倪派氏は「地下駅は掘削トンネル群からなる」と話した。

これほど特大規模の掘削トンネル群を作るためには、爆破のコントロールが非常に重要だ。国家文物局が求める振動速度を満たすため、専門家の研究により、中鉄五局は電子雷管微損傷爆破技術を用いて施工した。倪氏は「穴を多く開け、電子雷管を使い、穴を一つずつ起爆させる技術により、爆破の振動を抑えた。実際にモニタリングしたところ、国家文物局の爆破振動速度を下回り、0.1センチ毎秒以内に抑えた」と話した。

トンネル群が生み出す多くの汚水は、いかに処理するのだろうか。倪氏は「プロジェクトは汚水処理施設を作り、先進的な通風バイオフィルターろ過システムを採用し、凝集沈殿、バイオフィルター、活性炭吸着などの処理技術を用い、水の油汚れを処理する。処理済みの汚水は排出前に厳格な検査を受け、循環利用が優先される」と説明した。

京張高速鉄道の総延長は173キロ、設計上の時速は350キロで、年末開通を予定している。北京北駅から高速鉄道に乗ると、八達嶺まで1時間で到着できる。地下100メートルからエレベーターで山に出た後、徒歩1、2分でケーブルカーに乗り八達嶺長城に到達できる。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年8月30日

  

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