秦始皇帝陵博物院から正式に授権された兵馬俑ガレージキットが淘宝網で発売されると、ネットユーザーらは先を争うように買い求めた。これは、故宮が販売した口紅が大ヒットした時と似たような現象だと指摘する声もある。これら2種類の文化クリエイティブグッズがもてはやされる理由は何なのか?また、それらはどのようにして「超人気ブランド」としての地位を確立したのだろうか?経済日報が伝えた。
中国伝媒大学文化発展研究院の王青亦准教授は、「兵馬俑ガレージキットや故宮口紅が人気を博している理由は、兵馬俑も故宮も世界的な文化ブランドであることによる。ガレージキットや口紅の実用性だけではなく、それらに含まれている文化的価値が人々を魅了した」と指摘。
「兵馬俑ガレージキットには、勇士というスタイル、秦の始皇帝が中国を統一したストーリー、そして統一・武勇・調和という価値観が内包されている。これらの表現方式は、グローバル化という意味合いを備えている。ディズニーが制作したハリウッド映画「ムーラン」やマーベルが手掛けたシリーズ映画はいずれも、同じようなスタイルとストーリー、価値観を持っている。つまりこれはこうしたグッズが人々の審美眼に叶っていることを示していると言える」と王准教授は続けた。
文化クリエイティブグッズブームが今後も続くかどうかの見通しについて、王准教授は、「文化クリエイティブグッズのクリエイティビティには限度があることをはっきりと認識しなければならない。そのような前提の上で、ブランド自体が実質的なダメージを受けたり、政策的な原因からその広報活動に危機が生じない限り、これらの製品は予測できる未来において、人気を保ち続けるであろう」との見方を示した。
また中国伝媒大学芸術研究院ポスドク研究員の盧宇氏は、「一握りの文化クリエイティブブランドが業界の全体状況を示している訳ではない。ほとんどの製品は、鳴かず飛ばずで終わるという結末に直面している。各種文化クリエイティブグッズを企画する際には、冷静な眼と科学的な態度によって関連市場のデータを分析し、各製品がヒットした背後にある要因を精確に判断することで無駄な回り道を避け、それにもとづいて新製品をデザインしなければならない。このほか、職人精神にもとづき、製品にさらに磨きをかけ、唯一無二のスタイル、ストーリーそして価値観を発掘・生産・マーケティングしなければならない。『氷と火(相反する両極端)』を同時に見極める能力を備えてはじめて、さまざまな優れた文化クリエイティブグッズが花開き、消費者はそれに対する情熱を保ち続けることができる」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月5日