中国政府は22日、「『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアチブの共同建設における進展、貢献と展望」を発表した。「一帯一路」建設の約5年間に上がった成果は、この文書に記された10の数字からその一端をうかがうことができる。中国新聞社が伝えた。
(1)政府の協力文書173件に調印
「一帯一路」イニシアチブの共同建設は国際社会でますます認められ、国連、主要20ヶ国・地域(G20)、アジア太平洋経済協力(APEC)などの国際機関はそれぞれの重要文書に「一帯一路」やその核心的理念を書き入れた。2019年3月末までに、中国政府は125ヶ国および29の国際機関との間で協力文書173件に調印し、「一帯一路」を共に建設する国がアジア、欧州からアフリカ、中南米、南太平洋などの地域へと広がった。
(2)「中欧班列」が累計1万3千本を運行
18年末までに、国際定期貨物列車「中欧班列」は中国とユーラシア大陸の16ヶ国108都市とを結び、累計1万3千本を運行した。輸送した貨物は標準コンテナで110万基を超えた。通関地では通関手続きがますます便利になり、平均検査率と平均所要時間が半分になった。
(3)国際航空路線が1239本増加
この5年ほどの間に、中国と「一帯一路」沿線国との間で国際航空路線1239本が開通し、新規開通国際路線のうち約70%を占めた。
(4)沿線国との物品貿易額が6兆ドル突破
「一帯一路」建設は中国の対外貿易の成長を牽引する新たな原動力になっている。13〜18年には、中国と沿線国との物品貿易の輸出入額が6兆ドル(1ドルは約111.9円)を突破し、年平均増加率は同期の中国の対外貿易全体の増加率を上回り、物品貿易総額に占める割合は27.4%に達した。
(5)直接投資が900億ドル突破
13〜18年には、中国企業から「一帯一路」沿線国への直接投資額が900億ドルを超え、沿線国で完了した対外請負プロジェクトの営業額は4千億ドルを超えた。世界銀行の研究によると、沿線国の外資系企業の直接投資額は約5%成長する見込みだ。
(6)共同融資が70数ヶ国・地域に広がる
中国人民銀行(中央銀行)は世界銀行傘下の国際金融公社(IFC)、米州開発銀行(IDB)、アフリカ開発銀行、欧州復興開発銀行などの多国間開発銀行との間で共同融資を展開し、18年末までに累計100件以上のプロジェクトに投資し、対象国は70数ヶ国・地域に広がった。
(7)約40ヶ国・地域で人民元クロスボーダー(越境)決済が可能に
ここ数年、「一帯一路」の金融相互接続が深化を続け、人民元クロスボーダー(越境)決済システムの事業範囲が沿線約40数ヶ国・地域に広がり、人民元がもつ国際決済、投資、取引、準備通貨といった機能が緩やかに向上した。
(8)40数ヶ国と国際生産能力協力を展開
国際生産能力協力は沿線国の産業構造のバージョンアップを促進するための一大措置だ。現在、中国はカザフスタンやブラジルなど40数ヶ国との間で生産能力協力の文書に調印し、フランス、イタリア、スペイン、日本、ポルトガルなどとは第三国市場協力を展開している。
(9)沿線24ヶ国と高等教育の学歴・学位相互認証を実現
中国は現在、沿線24ヶ国と高等教育の学歴・学位相互認証協定を結んでいる。17年には沿線国の3万8700人が中国政府の奨学金を得て中国に留学し、奨学金を受けた留学生の約3分の2を占めた。
(10)沿線57ヶ国とビザ相互免除協定を締結
「一帯一路」沿線国にますます気軽に旅行に行けるようになった。現在、中国は沿線57ヶ国と各種パスポートをカバーするビザ(査証)相互免除協定を締結しており、15ヶ国との間にはビザ手続き簡略化の協定や計画がある。
政策が好材料となり、18年の中国の海外旅行客数はのべ1億5千万人に上り、中国を訪れた海外からの観光客数はのべ3千万人を超えた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月24日