西北工業大学ナノエナジー材料研究センターの魏秉慶教授率いるチームがこのほど発表した論文によると、シンプルで経済的な水溶液を利用し、水酸化カルシウム/グラフェン量子ドット混成ナノ材料を合成し、これを3つの有名な唐代の墓の壁画の保護に活用し、高い効果を上げた。科技日報が伝えた。
魏氏は「研究者は水酸化カルシウム/グラフェン量子ドット混成ナノ材料の合成により、新たな壁画保護概念を打ち出した。研究結果によると、混成ナノ材料は粒子が小さく、サイズが均等で、高い吸着性を持つため、壁画の強化が可能だ。また混成ナノ材料は耐紫外線性が高く、無機材料を上回る保護効果を持つ」と述べた。
魏氏によると、壁画保護材料は主に有機・無機の二種類に分かれる。前者は壁画本体との融合性が低く、長時間の使用で老朽化し、脆くなり黄ばみやすい。また形成される膜は空気を通さないため、壁画が膨張・風化し修復不可能になる。
水酸化カルシウムなどの無機保護材料は融合性が高く、老朽化しにくいといった特長がある。壁画の表面に使用すると、水酸化カルシウムは空気中のCO2と反応し炭酸カルシウムを生成し、石灰層と一体化しその強度を高めることで保護効果を発揮する。さらに水酸化カルシウムをナノ化することで、その表面の活性と安定性が大幅に高まり、壁画の寿命をより良く、より長くすることができる。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年11月22日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn