チベット高原の水域は一部の文学作品で「地球の涙」と呼ばれている。「地球の涙」がどれほど塩辛いかについては、スマート水中ロボットが答えてくれる。30日にハルビン工程大学への取材によると、同校、青海大学、三江源研究院がこのほど共同科学観測隊を結成し、チベット高原の唐蕃古道の要衝を訪れた。スマート水中ロボットを使い苦抜海(豆錯)、河厲橋(龍羊峡)の水質情報を調査・収集し、三江源エリアの水路・道路網の変化の特徴を研究した。スマート水中ロボットを使い高原地区の水域の水質情報調査・収集を行ったのはこれが初で、開拓的な意義を持つ。科技日報が伝えた。
「アジアの水塔」と呼ばれるチベット高原は、中国で水資源管理と水環境保護が最も厳しい地域の一つだ。チベット高原の温暖化と湿度の上昇、高原の湖沼面積の拡大による塩分の低下により、国は近年チベット高原の水環境保護に力を入れ続けている。高原の気温上昇の大気環流への影響を分析し、水生態環境の保護・修復を推進し、チベット高原の水生態環境の安全を保証するため、今回の科学観測を計画した。
従来の人の手によるチベット高原の水中分層調査では、船を使い各指定位置で探査設備を投入・回収し、定点測量を行っていた。これは手間と時間がかかり、気象などの影響を受けやすく、かつ数カ所の水質情報しか入手できない。今回の水中ロボットによる調査は、気象の影響が少なく、航行範囲内の水質情報をリアルタイムで入手できる。前者のデータ収集及び測量方法の不足を補い、人手と資源を節約した。
今回の科学観測に使用されたスマート水中ロボットは、ハルビン工程大学水中ロボット技術重点実験室の孫玉山教授のチームと、清華大学水砂科学・水利水電工程国家重点実験室の李鉄鍵教授のチームが共同開発したものだ。同ロボットは自動化の程度が高く、長時間かつ自主的な水中水文情報の詳細な測定が可能だ。
孫氏の指導を受け、科学観測隊の6人は3日間で、指定海域の各水深の水文情報を調べた。同水域の地形、流速、水温、塩分、濁度、pH値などの重要な水文・水質情報を一度に入手した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年10月31日
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