中国水産科学研究院黄海水産研究所は21日に山東省青島市で、黄海と渤海のスナメリの数と回遊の分布データ、保護の調査を開始することで、黄海と渤海のスナメリ保護エリアの区画と建設に科学技術のサポートと科学の根拠を提供すると発表した。新華社が伝えた。
プロジェクトの調査任務を順調に完了するため、黄海水産研究所の漁業資源調査船「中漁科102号」は24日に黄海南部に赴き、スナメリの数と分布データの調査を行う。航行日数は10日間を予定しており、海上調査期間中にはハッチングサンプリング目視調査によりスナメリを観察し、同時にノルウェー製の魚群探知機「SIMRAD EK60」とコンパクト型「EY60」を使用することで、魚類空間分布データを集める。さらにYSI装置を使い、海面の水温と塩分、溶存酸素、pH値を調べ、中国近海のスナメリ生態多様性保護を効果的に展開するための科学的な基礎資料を提供する。
紹介によると、スナメリのすべての種が国際自然保護連合(IUCN)の国際野生動物レッドリストと、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」に入っており、中国の2級保護動物にも指定されている。長江スナメリは2013年に数の激減を理由に、IUCNから近絶滅種から絶滅危惧種に格上げされた。2016年には1級保護動物に指定された。長江スナメリと同じく、海洋スナメリもその生存が著しく脅かされており、その状況は楽観視できない。間違った漁獲や異常な死亡が多発し、数が激減している。黄海と渤海の沿岸の漁師を対象とする調査によると、黄海と渤海のスナメリの数は80年代前半の20%にも満たず、一部の海域では5%未満になっているなど、救助と保護が非常に厳しい現状となっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年5月23日
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