アジア人の顔付きながら、欧米人の肌の色で、英語を流ちょうに話す日本人テニスプレイヤーの大坂なおみ選手(21)は、9月の全米オープンで見事優勝を手にし、世界のテニス界で最も話題の選手となっている。また、最近開催された中国オープン2018では、準決勝で敗退したものの、大坂選手は開催国中国の選手に全く引けを取らないほど注目された。中国新聞網が報じた。
世界のテニス界で最も注目を集める人気プレイヤーとなった大坂選手(撮影・李霈韵)。
準々決勝で中国の張帥選手と対戦した際、大坂選手は、北京の国家テニスセンターの観客のほとんどが張選手を応援する完全アウェーの状況にも全く動じることなく見事勝利を収めた。大坂選手は、「もちろん、観客はみんな相手選手に声援を送っていたことを知っていたわ。私はいつも、観客と戦うことを楽しんでいるの」と笑顔で語った。確かに、全米オープンの準決勝と決勝でも、米国のマディソン・キーズ選手とセリーナ・ウィリアムズ選手を相手に見事勝利を手にしている。
ハイチ系アメリカ人の父親と日本人の母親をもつ大坂選手は、人をあっと驚かせるようなことはめったに話さず、欧米の記者の目には、大坂選手はいつもおとなしく、メディアの質問にもシンプル、かつストレートな言葉で答え、一つの質問に一言で答えるといったように、長々と話すことはほとんどないと映っている。
中国オープン開催期間中、ほとんどの記者は、試合後の記者会見でしか、大坂選手に質問をすることができなかった。100人以上の報道陣らが集まる会場で、最も人気を集めたのは間違いなく大坂選手だった。
記者の「よくタオルで汗を拭きながら、小さくうなずくようなしぐさをしているが、自己暗示の一つか?それについて詳しく教えてくれないか?」との質問に、大坂選手は「頭を整理しているのよ」と答えただけだった。
また、「全米オープンで優勝して以降、注目を集めているが、意識的に控えめにしているようにも見えるが」との質問には、「そんなことないと思うけど、インタビューのことを言っているのかしら。実際には、私はインタビューに答えるのを楽しんでいるわ。だから、楽しいわよ」と笑顔で答えた。
世界のテニス界で最も注目を集める人気プレイヤーとなった大坂選手(撮影・李霈韵)。
全ての質問に流ちょうな英語で答えるというのは、3歳の時から米国で育った大坂選手にとっては、いたって普通のことだ。ある日本の記者が、「日本語で日本のファンに挨拶しほしい」と頼むと、大坂選手は、小さな声で、しかも英語で、「日本語でどう言えばよいのか分からないわ」と、恥ずかしそうに答えた。
実際には、大坂選手は全く日本語が話せないというわけではなく、ほとんどの日本語は聞いて理解することができる。しかし、コート上をアグレッシブに駆け回る姿とは全く異なり、公の場で、彼女が日本語話すことはほとんどないと言ってもよい。
このような特殊さは、多くの人の彼女に対するイメージも複雑にしている。日本国内であっても、彼女を称賛する声もあれば、それに逆行するかのような声もある。より正確を期するならば、多くの人は、彼女の活躍を喜びながら、成り行きを見守り、彼女のことを段階的に受け入れている状態だと言えよう。
多くの人が見守っているのは、大坂選手に対するイメージだけでなく、そのプレースタイルもだ。日本のテニス界の歴史の中で、WTAランキングシングルストップ10入りを果たしたのはこれまで、杉山愛選手と伊達公子選手だけだった。2人はいずれも小柄で、フットワークの軽さを武器とし、こうした特徴は日本のテニスプレイヤー、ひいてはさまざまなスポーツの日本選手の共通のイメージとなっている。
しかし、大坂選手は身長が高く、体格にも恵まれ、パワーテニスを得意としており、欧米選手と力勝負をしても全く引けを取らない。実際には、日本のファンだけでなく、世界のテニスファンも、少しずつ大坂選手のことを理解し、受け入れるようになっている。杉山選手や伊達選手を先駆者と呼び、錦織圭選手を今の日本テニスの代表とするならば、大坂選手は、「日本の未来」と呼ぶことができるだろう。
21歳と若い彼女は、全米オープンで優勝し、17歳でグランドスラムチャンピオンになったシャラポワ選手に次いで若いグランドスラムチャンピオンとなった。しかし、近年の女子テニス界では、「新星」と呼ばれる選手が次々に登場しているものの、セリーナ・ウィリアムズ選手に続く絶対的女王はまだ登場していない。そのため、若い大坂選手が、「一発屋」となるのか、絶対的女王へと成長するのかは、今後も成り行きを見守らなければならない。
スポットライトをいつも浴び、完全に「アイドル」となった時、大坂選手は今と変わらず控えめな態度を保つことができるのかと、多くの人が注目している。また、陸上やバスケットボールなどの競技で、日本のハーフの選手が活躍するようになってきたが、日本のテニスファンの心の中で、大坂選手は最終的にどのような位置を占めるようになるかも楽しみだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年10月10日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn