ボイラー都市とは逆に、雲南省、貴州省、甘粛省、青海省、山東省、内蒙古(内モンゴル)自治区などは人気の避暑旅行先となっている。こうした地域には涼しい気候という優位性があるだけでなく、観光資源が豊富、交通輸送力がある、ホテルなどの受け入れ能力が高いといった優位性も備わる。
市場の供給状況をみると、今年は避暑旅行商品の選択肢が一層広がりをみせた。北京神船国際旅行者集団有限公司の関係者は、「夏シーズンは一年で旅行者が最も多く、価格が相対的に高い時期だ。南方は雨が多く、気候も暑いため、観光客は甘粛、内蒙古、東北地域などの北方や北西地域への避暑旅行を選ぶ人が多い。こうした場所は観光ルートが成熟しており、旅行会社が豊富な商品の選択肢を用意している」と話す。
李志飛・湖北大学農村観光研究センター長は、「避暑旅行はここ数年の間に出てきた旅行スタイルだ。これまでは春や秋に散策に出かけたり、景色を見に行ったりする旅のスタイルに人気があったが、生活水準の向上にともなって、夏の避暑旅行が徐々に盛んになり、経済的価値も上昇した」との見方を示す。
中国観光研究院避暑旅行課題チームの総合的な予測によると、「夏の避暑旅行の3大主要層は高齢者、生徒・学生と教員、気温の高い都市の住民で、潜在的な有効避暑ニーズは人口にして約3億人。2017年の全国の一人あたり平均観光消費水準約1千元(1元は約16.1円)で計算すると、避暑旅行市場の規模は約3千億元になる。乗数効果を4~5倍とすると、目的地の都市に1兆2千億元から1兆5千億元ほどの総合的な経済面の寄与をもたらし、これが雇用や所得の伸びに転化する可能性がある」という。
▽シルバー世帯の旅行がブームに
専門機関の調査によると、高齢者が避暑旅行市場の重要な主体だ。回答した高齢者の76.1%が「ぜひ避暑旅行に行きたい」と答え、40%以上が「団体ツアーを選択する」とし、団体ツアーが高齢者の真っ先に選ぶ旅行スタイルであることがわかった。次はフリーツアーで29.3%が選んだ。
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