日本政府が発表した最新のデータによると、今年5月の1世帯あたりの消費支出は前年同期比3.9%減少し、4ヶ月連続のマイナスとなった。実際、2014年4月に消費税率が8%に引き上げられた後、消費支出は大幅に落ち込んで回復せず、昨年はやや改善の兆しがみられたものの、年平均増加率は4年間マイナスが続いて、日本経済の「一番の大問題」になっている。(文:張玉来・南開大学日本研究院副院長)
日々深刻さを増す少子高齢化が、日本の消費支出を長らく低迷させている第一の要因だ。2017年に日本の人口は前年比37万人減少し、9年連続で減少した。その一方で、65歳以上が占める割合は約28%で、14歳以下の2倍以上になった。年金と貯金で生活する高齢者層の消費意欲は元々低かった上に、「人生100年時代」が到来して、高齢者はますます節約志向になっている。25年には第二次世界大戦後に生まれた「団塊の世代」がすべて75歳以上になり、社会の消費支出の拡大にはマイナスの状況になることが確実だ。
経済情勢への懸念も消費支出が低迷する重要な要因の一つだ。12年以降、日本経済は緩やかな回復の道をたどり、長期景気拡大期を迎えたが、内需は振るわず、経済が過度に外需頼みであるという目立った特徴があり、人々は未来への不安を募らせる。そして今、保護貿易主義がますますエスカレートし、日本経済の先行きへの不確定性がさらに拡大している。
また日本のますます悪化する財政状況が社会保障システムの安定性を脅かし、消費支出の拡大を大幅に抑制している。最近の経済状況の好転が財政状況をある程度改善したことは確かだが、支出の3分の1は引き続き国債発行によりまかなわれている。さらに高齢化で社会保障費は膨らみ続け、財政規模も拡大を続け、日本政府は財政健全化目標の先送りを迫られ、今後は社会保障費の支給額を削減する改革が避けられないとみられる。
ネットワーク販売、技術の進歩、消費構造の変化も消費支出に一定の影響を与えた。ネット消費が普及して「アマゾン効果」がもたらされ、物価水準が押し下げられ、消費支出の拡大が抑制された。他の電子製品に対する代替性が極めて高いスマートフォンが急速に普及し、シェアリングエコノミー(享有経済)モデルが普及するなどして、こうした技術の進歩も実質的には消費支出の全体的規模を押さえ込む役割を果たした。
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