中国生態環境部(省)は、持続的な高温と地表近くの南寄りの風による影響で、北京・天津・河北地区と山東省のほとんどの地域と河南省北部の一部都市でオゾンの軽度・中度汚染が生じる可能性があると報告した。科技日報が伝えた。
予測によると、今月4日から15日にかけて、中国の長江デルタや華南・西北・東北地区の主要汚染物質にオゾンが含まれるという。
地表近くの低空のオゾンは、いったいどこから来るのだろうかという点について、中国工程院院士、北京大学教授の唐孝炎氏は、「気温が高く日照がやや強い場合、大気中の窒素酸化物と揮発性有機化合物(VOCs)は紫外線照射により光化学反応を起こし、オゾンを形成する」と説明した。
そのため青空が広がり、太陽がぎらぎらと照りつける紫外線の強い夏の日には、オゾン汚染が特に生じやすい。オゾンは常温では特殊な匂いを持つ薄青色のガスであり、青い空に白い雲の晴天だと思いきやオゾン濃度が基準を超過しているということがよくある。
唐氏は、「オゾンは強い酸化剤であり、それ自体が有害だ。その大気中の質量濃度は大気の酸化能力、すなわち二次汚染物質を生み出す能力を反映する。そのため大気中のオゾン汚染と大気の酸化性を制御し、引き下げようとする場合、同時に窒素酸化物とVOCsの排出量を削減するという汚染物質の一斉制御を実現しなければならない」と説明した。
中国整体環境部環境観測司長の劉志全氏は、「中国のオゾン汚染は分散型・地域型という特徴を示している。主に遼寧省中南部、北京・天津・河北及び周辺地域、長江デルタ、武漢都市クラスタ、陝西省関中地区、成都市・重慶市、珠江デルタに集中している。中国のオゾン汚染は軽度が中心で、深刻な汚染が発生したことはなく、検出不可能な値にまで達したということも起きたことが無い」と指摘した。
劉氏は、「先進国のオゾン汚染ガバナンス経験を見ると、窒素酸化物とVOCsの排出削減の推進を続ければ、長期的にはオゾンの濃度は徐々に低下することになる。短期的には、汚染の濃度は気象、前駆体の濃度・比率などの影響によって大幅に変動する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年6月4日
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