(写真左)中国科学院上海珪酸塩研究所の実験室内で、チームの研究者が大量の油を含む汚水に汚染対策新材料を加え、吸着効果の時間を測定した様子。(写真右)吸着効果の試験結果によると、容器内の汚水は3分4秒後に黄色から透明に変わり、刺激臭も失われた(4月24日撮影)。
中国科学院上海珪酸塩研究所の黄富強首席研究員が率いるチームはこのほど、汚染対策新材料の開発に成功した。日照を浴びること2週間以内で水質を大幅に改善し、汚染水の浄化が促された。関連成果は年初に、「国家自然科学賞」2等賞を受賞し、現在すでに上海市や安徽省、江蘇省などにおける試験的使用に成功している。新華社が伝えた。
黄氏によると、新材料は3次元グラフェンチューブと黒色二酸化チタンを混合させたもので、「物理吸着+光化学触媒分解」がその原理となっている。三次元グラフェンチューブが有毒有機物をしっかり「つかみとり」、黒色二酸化チタンは光触媒となり太陽スペクトルの95%を吸収し、有毒有機物を二酸化炭素と水に分解する。
チームはこの1ヶ月にわたり、上海市や安徽省、江蘇省などで新材料の光分解・吸着ネットを3000枚以上張り、約4万平方メートルの水域をカバーした。
情報によると、新材料はさらに捺染廃水、革製品廃水などの工業汚水を分解し、その有毒重金属を効率的に吸着するとしている。多孔新材料を1グラム添加すると、鉛イオンを1.476グラム吸着でき、簡素な酸化処理により高付加価値材料に加工する。同成果はすでに実験室を出て量産化を実現しており、発明特許を50件以上取得している。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年5月25日
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