適度な日光浴は人体のビタミンD合成を促し、さまざまな皮膚病を治療し、さらに人々の情緒と認識力を改善する。しかしこれまでは研究手段に限りがあったため、日光浴が神経系関連の行為の変化を引き起こす深いメカニズムが解明されていなかった。そのため日光浴がいかに脳内神経細胞の代謝や神経回路の機能に影響を及ぼすかについては、これまで謎のままだった。新華社が伝えた。
中国科学技術大学教授の熊偉氏や黄光明氏らの共同研究により、日光浴が動物の学習力・記憶力を強化するメカニズムが明らかになり、世界的に有名な学術誌「セル」がこのほど、同研究成果を発表した。
研究チームは自主開発した単細胞質量スペクトル技術を利用し、神経科学の各種研究手段と結びつけ、動物の肌が日光を浴びると血液中のUCAと呼ばれる化学物質の分泌量が大幅に増加することを明らかにした。彼らはさらに、増加したUCAが血液脳関門を通じ脳の神経細胞に入ることを発見。UCAは細胞内で一連の生物代謝酵素を通じて、最終的にグルタミン酸に変化する。細胞内のグルタミン酸は運動皮質及び海馬の神経末端から放出され、運動学習及び記憶と関連する脳内神経回路を活性化させる。これにより動物の運動学習力と物体識別・記憶力が強化される。
説明によると、グルタミン酸は脳内で細胞内のタンパク質合成、エネルギー代謝、興奮性神経信号の伝達などの重要な生理機能に関わってくる。そのため今回の研究の発見は、脳の活動メカニズムと関連疾患の発生メカニズムを理解する上で重要な効果を発揮している。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年5月24日
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