「中国発展ハイレベルフォーラム2018」(主催:国務院発展研究センター)が24、25両日に開催され、新時代の新たなチャンスが多くの実業家や学者の話題の中心となった。
■世界は中国の実力を目撃
昨年、中国経済のパフォーマンスは予測を上回り、経済成長が6年ぶりに小幅上昇し、安定へ向かう基調を示したのみならず、経済構造の最適化、企業効率の向上、民生改善の面でも目玉があった。質の高い発展という主旋律、数多くの成果によって、今年中国の発展を有望視する国はさらに増えた。
イノベーション戦略は中国のビジネスモデルの革新と市場開拓に重大な役割を発揮し、新たな成長源を創造しただけでなく、メイド・イン・チャイナの国際的イメージも変えた。アップルのティム・クックCEOによると、何年も前にアップルを中国に引き寄せたのは大量生産の卓越した能力だったが、現在では中国は質の高い製造で名を馳せ、かつてないほどイノベーションを先導している。「先進製造業と『メイド・イン・チャイナ2025』戦略の実施に力を入れるにともない、世界中が中国の起業・研究開発能力を目の当たりにしている。中国はもう単なる製造ではなく、夢を乗せている」とクック氏は述べた。
■改革開放が与える自信
ノバルティスのヴァサント・ナラシンハンCEOによると、中国の改革の力はイノベーションのスピードと同様、深い感銘を与える。「中国の「放管服改革」(行政のスリム化と権限委譲、緩和と管理の結合、サービスの最適化)の取り組みは喜ばしい成果を挙げた。特に新薬認可の時間短縮に、われわれはイノベーションによって発展を後押しする中国政府の決意と実行を見た」。
「改革開放の全面的深化にともない、中国は全世界に混迷から抜け出し、出口を探る自信を与えた。また、今後長い間、グローバル・ガバナンス体制の構築に重要な思想的貢献を果たす」と、ケンブリッジ大学のピーター・ノーラン教授は指摘する。
「改革開放は過去40年間の中国の高度経済成長の動力源であり、質の高い経済発展への転換の成功の道となる。今年は改革開放40周年だ。中国は改革開放の取り組みを強化し、質の高い経済発展への転換のために環境を整え、この過程において世界と連動・ウィンウィンも実現するに違いないと予測できる」と、国務院発展研究センターの王一鳴副主任は指摘する。
■未来はチャンスと試練が併存
新時代に入り、新たな征途を開くうえで、どのように試練に直面し、チャンスを捉えるか。
高度成長から質の高い成長への転換においては、公平な市場環境が拠り所となる。「中国はすでに革新的で活力あるエコノミーに躍進した。社会が一層の包摂性と平等性を備えるようにすることは、中国が質の高い工業モデル転換及び革新的な成長を実現するうえで重大な意義を持つ」。アジア開発銀行の中尾武彦総裁は「資源配分における決定的役割を市場に発揮させることは、効率、イノベーション、持続可能な成長の大変重要な拠り所となる」と指摘する。
高度成長から質の高い成長への転換においては、オープンな発展の理念が礎となる。「ビジネス界は市場開放の理念を主張し続けている。開放があって初めて、革新・起業の精神が育つ。最強の企業とエコノミーはいずれもオープンだ」と、クック氏は語った。
高度成長から質の高い成長への転換においては、「指揮棒」をタイムリーに調整する必要がある。「経済発展の目的は、人々の幸福、社会の持続可能な発展の水準を高め続けることだ。GDPは手段に過ぎず、独立した要素ではない」。ノーベル経済学賞受賞者でコロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏は、経済的成果の評価基準は環境保護など経済発展の質を考慮すべきだと指摘する。中国の今後の成長を評価するには、GDPだけを見るのではなく、新たな手段を通じて、一揃いのマトリックス的な評価システムを持つ必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年3月26日
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