2018年の全国大学院修士入学試験が先週末、終了した。教育部が発表したデータによると、今年の受験生の人数は238万人で、2017年と比較して20%増の37万人増加した。2018年の大学院修士入学試験の受験者数と増加幅はいずれも過去最高を記録している。新東方在線国内試験事業部の甘源総経理は、この変化は中国の経済や文化などのソフトとハードパワーの向上と密接な関係があり、将来的に人々の高学歴への関心と需要は引き続き高まりつづけると分析している。
▽社会人受験生が全体の45%占める
教育部がこのほど発表したデータによると、2018年の大卒生は昨年よりも25万人増の820万人に達し、過去最高を記録すると予測している。甘総経理によると、厳しい就職情勢や経済や文化などのソフトとハードパワーの向上、「ゆっくり就職」のトレンドなどが修士入学試験ブームを形成する原因となっているとしたほか、「学歴を高め」、「将来は学術研究職に就職」、「専攻替え」なども大卒生が修士入学試験を受ける重要な要素だとした。
「95後」(1995年から1999年生まれ)が修士入学試験に受験し始めるのにつれて、人生の理想や精神的なものを求めるために受験する若者がより多くなっている。一部の受験生は修士入学試験だけでなく、国家公務員試験や留学など多方面に向けて準備を進めている。
過去3年間で修士入学試験に参加する受験生の数が年々増加している。2018年の受験生のうち、大学新卒の受験生は131万人で、昨年より18万人増加した。また、社会人受験生は107万人で、昨年より19万人増加した。社会人受験生が受験生総数の約45%を占めている。
また、受験生の男女比率にも変化が生じている点は注目に値する。2007年に48%を占めていた女性受験生は2016年になるとその割合がすでに55%までに上昇し、男性受験生の割合を上回っていることがわかった。
▽専門修士はますますコストパフォーマンスの高い選択に
北京市教育試験院のデータによると、北京の大学を受験する学生のうち、14万6100人が学術修士を志望し、全体の45.3%を占めている。一方で17万6700人が専門修士を志望し、全体の54.7%を占めており、専門修士の受験生人数は学術修士の受験者数を2年連続で上回っている。
学術修士と比べ、専門修士は在学年数が短く、より実践を重視し、就職も容易で、さらに国は高等教育政策において専門修士の育成を重視しているため、現在専門修士の規模が増大しており、認知度も高くなっている。
同時に今年は非全日制修士の募集が統一試験によって行われるようになって2年目となり、北京では出願者が合計4万3500人に達し、2017年度の修士入学の出願者と比べ14.8%増加している。非全日制修士課程は学位と卒業証明書を授与するが、そのいずれにも非全日制であることが記載される。しかし企業は、それをマイナスとはとらえていないため、卒業生やすでに就職している社会人は非全日制修士課程を志望し、仕事と勉強を両立させている。
▽二次試験での競争は一層熾烈に
2007年から2016年にわたり、修士の募集人数はわずか6%しか増加しておらず、出願者の増加率と比べて非常に低く、これからの修士試験の競争はさらに熾烈となり、ある大学では倍率は40倍にまで達するとみられている。
甘総経理の予測によると、一部の大学は二次試験の合格者数を増加させることで、より多くの受験生が二次試験に参加できるように調整するとしている。しかし、全体の募集人数に変化が生じない限り、二次試験の競争がさらに熾烈になると見られている。特に34校の大学の人気の専攻は、二次試験の合格率が低くなるため、受験生は早い時期から準備を開始し、専門知識を蓄え、外国語語学力と総合力を磨いて、合格の確率を上げる必要があるとアドバイスしている。
「双一流」大学が建設されている背景をうけて、大学の研究と教育資源の分配の調整が行われている。「双一流」大学の資源の優位が顕著化し、必然的に入試の倍率が上がっている。甘総経理は、2019年度の修士課程を受験する予定である受験生達に、早い時期から計画を立て、出題の内容と傾向に関して情報を収集し、しっかり復習することで自身の競争力を高めるべきだとアドバイスしている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年12月28日
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