大阪で、自身が製作した南京大虐殺関連のドキュメンタリーを紹介し、見るよう勧める松岡会長(撮影・劉軍国)
「南京大虐殺の遺跡を見学するたびに、歴史を鏡とすることの重要性を再認識させられる」。南京大虐殺犠牲者の追悼式典に参加した日本の市民団体「銘心会」の松岡環会長(70)は14日、日本人18人と共に、中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館と南京市内の南京大虐殺遺跡を見学した。人民日報が報じた。
日本の右翼は松岡会長を目の敵にしているのに対して、南京大虐殺の生存者にとって松岡会長は、「日本の良心」となっている。松岡会長は1988年に初めて南京を訪問し、今回で97回目の訪問となった。ここ30年、「南京大虐殺の資料を求めて当事者を訪ねたり、日本人を含む各国の人々に、南京大虐殺について伝えたりする」というのが松岡会長の生活の中心となってきた。
「動かぬ証拠は山ほどあり、改ざんできない」
小学校の教師だった松岡会長は80年代に6年生の歴史の授業を教えていたとき、教科書が広島と長崎に原爆を落とされたことなど、日本が被害を受けたことばかりを強調しているのに対して、日本が中国を侵略し、中国の国民に甚大な被害をもたらしたことには触れていないことに気付くようになった。
「日本政府が歴史と向き合っておらず、不公平だと私は思う」。歴史の真相を知るため、松岡会長はすぐに中国へ行き、中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館と中国人民抗日戦争紀念館を訪問した。松岡会長は、「南京大虐殺の生存者の話を聞いて、その悲惨さと、歴史の真相に本当に驚愕した」と振り返った。
その南京訪問が松岡会長の人生を大きく変えた。大阪に戻った松岡会長は、日本の右翼が「南京大虐殺は中国人がねつ造した」、「旧日本軍は残酷なことはしていない」などと偽りを語っているのを耳にし、「南京大虐殺の動かぬ証拠は山ほどあり、改ざんすることはできない」と憤りを感じ、「右翼の間違った言動を批判できるように、資料収集することにした」という。
南京大虐殺から60周年となった97年、松岡会長は「南京大虐殺ホットライン」を設置して、日本の新聞に、中国侵略を経験した旧日本軍の元兵士の詳細な証言や日記、写真、手紙などの資料を求める掲載を行った。また、南京を訪問し、南京大虐殺の生存者を探した。そのようにして、普通の小学校教師だった松岡会長は、南京と密接な関係を築くようになった。
右翼の脅しや妨害、元兵士の拒絶、反対などに面したものの、強い信念を抱く松岡会長は決してあきらめなかった。松岡会長は調査の過程で、日本の元兵士や中国の生存者が語ることに多くの共通点があることに気付くようになった。「日中双方の手がかりが事実を裏付けており、日本の右翼は言い返すことができない」。松岡会長は調査を継続するという決意を一層固め、自信をもって取り組むことができるようになった。これまでに、松岡会長は約250人の日本の元兵士を訪ねてきた。
2002年、松岡会長は著作「南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて―元兵士102人の証言」を日本で刊行したほか、その後もさまざまな証言を基にしたドキュメンタリー「南京 引き裂かれた記憶」などを製作した。松岡会長は日本各地でそれらドキュメンタリーの上映を頻繁に行っているほか、関連図書を販売している。「書籍とドキュメンタリーは私が集めた資料をまとめており、日本の右翼の嘘を暴く切り札」と松岡会長。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn