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4500メートル級有人潜水艇「深海勇士号」が引き渡し 測位精度は「大海で針をすくう」ほど

人民網日本語版 2017年12月01日15:11

中国の独自開発した4500メートル級の有人潜水艇「深海勇士号」は11月30日、正式な検収と引き渡しの作業を行う。世界をリードする制御システムを備えた同艇は今後30年にわたって海洋科学調査に用いられることになる。

新制御システムの正式版が発表

深海勇士号には、世界で最先端の制御システムが備えられている。しばらく前にはこの制御システムの正式版が発表された。同システムは今後、各種の潜水艇にも応用され、中国が建造中の1万メートル級潜水艇にも土台を築くものともなる。制御システムとは、有人潜水艇が知性を備えた生物であるとすれば、大脳や神経系にあたる部分である。さてこのシステムはどれほど「頭が良い」のだろうか。

深海勇士号の制御システムの開発責任者である祝普強氏によると、この潜水艇は、水中でいかなる姿勢を取っていようと前進でき、どのような作業やホバリングも良好に制御できる。自動車では無人運転や自動運転の発展が話題だが、中国の潜水艇はすでにこの自動操縦能力を備えている。

中国の自主開発する全海域を覆う1万メートル級深海潜水艇は、2020年には、世界で最も深いマリアナ海溝に潜航することになっている。深海1万メートルは一面の闇で、温度は急速に下がり、潜水艇には1平方センチメートルに対して1.1トンの圧力がかかる。3人の乗組員の安全をいかに確保するかが、潜水艇の制御システムの最も重要な課題となる。

まず先進的な衝突防止システムは、潜水艇が深海航行している最中に障害物にぶつかった際の急ブレーキを確保する。さらに潜水艇で水漏れが生じても、油圧システムをシャットダウンすることで潜水艇の主体を守ることができる。

「大海で針をすくう」測位精度

自動操縦や緊急制動、水漏れ防止のほか、新世代潜水艇の制御システムで最も人目を引くのは、「大海から針」をもすくえるというナビゲーションが搭載されていることである。

祝普強氏によると、例えば、海底の熱水地域や冷水湧出域で作業したり、深海底での栽培を行う際には、設備を現場に設置し、再度または繰り返しこの位置を訪れる必要がある。大海においてその難度はまさに「針をすくう」ほどのものとなる。

3世代の技術革新を経て、新型潜水艇の制御システムは現在、水中でのナビゲーションと測位を実現するまでに発展している。試験潜航を行った乗組員の趙兵氏によると、深海勇士号の22回目の海中潜航では、第19回潜航で設置されたマーカーを見つけることが任務の一つとなった。

潜水艇で最強の「大脳」を開発

有人潜水艇・深海勇士号は開発・建造のすべてを中国人が独自に行った。制御システムの設計は最も複雑で、国産化の道は険しかった。ある科学者は、川底の石を探りながら川を渡るようなものだったと振り返っている。簡単な操作だけが可能な初代の潜水艇から、最強の「大脳」を持つ現在の潜水艇ができるまで、16年を要した。

祝普強氏によると、第一世代の潜水艇は、プロジェクトの必要を満たすだけのものにすぎなかった。潜水艇の最も簡単な制御だけが必要とされ、移動や作業、潜航ができれば十分だった。

科学的なニーズを満たすため、第2世代では制御システムに深海地形図が加えられ、潜水艇が深海でも方向を判断できるようにした。最新世代では、多くの高度な指令や機能が実現され、世界でもトップクラスの潜水艇の「大脳」と「神経」が形成されている。(編集MA)

「人民網日本語版」2017年12月1日

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