技術革新を実現できた理由は?
中国が技術革新を実現できた理由の一つ目は人材。中国は科学技術従業者8100万人、高等教育を受けたり、専門技能を習得している人材が1億7千万人、また海外から帰国した人材は110万人を超え、30年前の3倍に達している。これが、中国イノベーションの「力の源泉」となっている。
二つ目は、資金投入。2016年、中国全土の技術契約の取引高は前年より15.97%上昇し、初めて万億の大台を超えた。また、全国の研究と実験への支出は15440億元に達した。米国国家科学基金会が発表した報告によると、中国はすでに世界第二の研究開発大国となり、中国の研究開発の支出はEUの総額に近づいている。中国イノベーションの迅速な発展は増え続ける国家の資金投入によるところが大きい。
最後は、テクノロジー改革。「中央財政科学研究プロジェクト資金管理の更なる完備に関する政策への若干の意見」で、経費割合や支出範囲、科目設置などの面から一連の緩和政策を打ち出した。成果転化の中で得た奨励は過去の「20%以上」から「50%以上」に向上させ、科学研究者は更に多くの「獲得感」を得られるようになった。「緩和」と「奨励」は中国科学技術改革のキーワードとなっており、ますます多くの人材がイノベーションの「舞台」で競い合って才能を発揮している。
宇宙事業
宇宙を眺めると、中国は有人宇宙事業において多くの進展があったことが分かる。宇宙飛行士の景海鵬氏と陳冬氏が昨年、33日間の宇宙飛行で、国際的な科学の最先端とハイテクの発展方向を示す宇宙科学・応用任務を実施した。有人宇宙船「神舟」と宇宙実験室「天宮」とのドッキングが無事成功し、無人補給船「天舟1号」が「空への宅配」を実現した。中国は宇宙大国から宇宙強国、科学技術強国に向かおうとしている。
球面電波望遠鏡「FAST」
世界最大口径電波望遠鏡として、中国の口径500メートル球面電波望遠鏡(FAST)は昨年9月25日に貴州省平塘県で竣工し、稼働開始した。FASTは独自の知的財産権を持ち、今後10-20年に渡り世界一の地位を維持するとされている。FASTの感度はエフェルスベルク電波望遠鏡の約10倍で、総合性能はアレシボ天文台の約10倍。
「墨子号」量子科学実験衛星
中国は2016年8月16日、世界初の量子科学実験衛星「墨子号」の打ち上げに成功した。墨子号はグローバル化量子通信、宇宙量子物理学、量子引力実験・検証の扉を開き、全面的に世界トップ水準に達した。
大型ジェット機C919
中国が独自に開発した大型ジェット機C919が2017年5月5日午後、初飛行に成功した。これは中国大型旅客機プロジェクトの重大な進展であり、中国は大型旅客機の製造能力を持つ世界少数の国になった。現在、C919の顧客は27社に上り、累計受注数は730機に達する。
北斗システム
北斗システムは世界的に有名な、国際海事機関が承認し国際モバイル通信基準に基づくグローバル衛星測位システムだ。北斗3号グローバルシステムの建設が全面的に始まっており、2018年に一帯一路参加国に向けサービスを開始。2020年に世界サービス能力を形成すると、世界一流のグローバル衛星測位システムになる。一見「ハイグレード」な北斗衛星測位システムだが実際には一般人の生活とも密接に関連している。水、電気、ガス、エネルギーなど都市のライフラインの運営効率を高め、人々のスマート交通、介護、緊急救助に役立てることができる。
海洋事業
遠洋に目を凝らすと、中国の遠洋総合科学調査船「科学号」は人類が探査したことのない西太平洋カロリン海山に足を踏み入れた。「向陽紅01」は中国初の地球一周海洋総合科学観測を開始している。有人潜水艇「蛟竜号」は4年間に渡る試験的応用航行任務を完遂し、事業化運行段階に入った。これからはさらに高頻度かつ長時間の潜水作業を行う。
スパコン
「国の宝」が革新的な未来を切り拓く。スパコンは世界科学技術大国が頂点に立とうと競い合う要衝の一つで、気候・エネルギー・宇宙・バイオ製薬などの分野で重要な応用の価値を持つ。1983年に研究開発に成功した「銀河」シリーズスパコンから、曙光シリーズや神威スパコンの開発成功に至る過程において、中国のスパコン分野の研究開発と応用は、世界先頭集団の仲間入りを果たしたといえるだろう。ドイツで2017年6月に発表されスパコン性能ランキング「TOP500」によると、中国の「神威•太湖之光」が驚異的な演算能力により3連覇を果たした。
原発
世界原発技術の発展の最先端では、CAP1400が開発された。中国が独自の知的財産権を持ち、中国第3世代原発技術の自主化を実現。総合性能で世界トップ水準に達した。国の競争力を象徴する「国の宝」である、中国製原子炉が海外進出を実現した。それには高い技術を持ち、安全性においても優れている。
新技術
一国の科学技術革新にとって、「国の宝」はその底力と実力を象徴する。一方、科学技術の成果は一般人の生活状況を改善し、科学技術発展の恒久的な生命力と重要な価値を示す。新技術はこの5年間に渡り、かつてない速さ・広さ・深さで、想像を上回るほど私たちの生活に入り、暮らしを変えている。例えば、3Dプリンターは本物の関節を印刷でき、選手は再び競技場に復帰するチャンスを手にした。一般人でもドローンを操縦し、美しく壮大な風景を撮影できる。以前はSF映画にしかなかったスマートライフが、今や実際に顔認証決済、自動運転、無人スーパーなど実際の光景に変わっている。
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(編集YF、SC)
「人民網日本語版」2017年10月13日
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