浙江理工大学アートデザイン学院に、顧紅建先生という教員がいる。顧先生は、学生が書く欠席届について、「手書きのイラストで描く」という非常にユニークな方法を採用している。本来ならば、まったく面白くもおかしくもない欠席届という書類が、この先生の奇抜な発想によって極めて面白いイラストやデッサンに変身し、情緒溢れたものとなった。どうして顧先生はこんなことを提案したのだろうか?その理由はいたって簡単で、顧先生が受け持っている学生が全員、デザインを学ぶ学生だったからだ。銭江晩報が伝えた。
顧先生が受け取った手描き欠席届第1号は、軍事訓練中の学生が描いたものだった。かなり抽象的な絵で、足を柱にぶつけ、シンプルなラインで骨の形と傷跡が描かれ、骨折したことを示していた。絵の下には一行だけ、「顧先生の許可を頂きたいです」と書かれていた。
その後、顧先生は、実に様々な「芸術的」な作品を受け取った。簡単なタッチで描かれたものや、走り去る列車とそれを追いかける若者を描いた抽象画風のものなど。後者は、学生が、前夜の最終バスに間に合わなかったことを訴えたものだった。また、西洋画風もあり、人物画をわざと醜く描き、「男神からの許可を願います」と茶目っ気たっぷりに書き添えられていた。ある学生は、欠席届をグリーティングカード風に仕立て、カードを開くと、大きく赤字で書かれた「喜」の字とともに、ロマンティックな結婚式会場の様子が描かれていた。さらに、中国語と英語で欠席の許可をお願いする内容の言葉が添えられていた。それは、お姉さんの結婚式に参加するという理由で欠席を願い出た学生からのものだった。
さらに、面倒くさがらずに、漫画仕立てで描いた学生もいた。ストーリーは複雑で、文字による解説で1ページが埋め尽くされ、最後に流暢な「説明文」が添えられていた。
アイデア溢れるこのような手描きの欠席届は、正式な欠席届との「引き換え券」となる。急に欠席することになり、イラストの欠席届を描く暇がない学生は、欠席後に提出してもかまわないという。
顧先生のクラスに在籍する王さんは、イラストの欠席届を描くことになって、とても喜んでいる。「普通の欠席届は、単に文字が並んでいるだけで、用が済めばさっさと処分してしまう。だが、手描きのイラストで欠席届を描けば、絵ハガキと同じように、いつまでも大事に取っておくだろう」と王さんは話した。
「欠席届をたびたび提出すれば、一冊の本が出版できる」と顧先生は笑いながら話した。
「学生に手描きイラストによる欠席届を提出させることにしたのは、まず、専門技能のトレーニングさせるという狙いがあり、学生が日常生活の物事を芸術で表現することを学ばせたかった。そのほか、学生が大学生活の良き思い出を残す手助けをしたかったという理由がある」と顧先生は続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年9月19日
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