近年、信頼を「命」としてきた日本企業の不正が相次いで報じられ、監督管理面や企業文化などの弱点が暴露されている。自動車メーカーを例にとると、燃費データは基本的にメーカーの自己申告となっている。日本国土交通省の関係者は、「政府が燃費測定の全プロセスに参与するとなると、時間と労力がかかる。一方で、メーカー側が提供するデータを使い続ければ、不正の再発を防ぐのは難しい」と語る。
軽自動車にとって、燃費は販売台数に直接結びつく要素だが、政府の定めた厳しい規準を満たすには、メーカー側は高いコストを支払う必要がある。業界関係者は取材に対し、「三菱内部では燃費目標が上から下に押し付けられ、最終的には研究開発部門がノルマを果たせず、データ改ざんに踏み切るしかなくなった」としている。
アナリストは、「データ不正問題は、日本の企業文化とも関係する。上下関係がはっきりした経営環境では、各部門の内部人員が固定されており、同じ部署で十数年間も働く人が多いため、部外者が内部の問題に気づくのは難しい」と指摘する。
データによると、不正が判明した三菱の4車種は5月の国内販売台数が全てゼロとなった。また、スズキの軽自動車2車種も5月の販売台数が明らかに減少した。相次ぐ問題により、日本車の「安心・安全」のイメージが損なわれたことは明白だ。消費者の信頼を回復するには相当長い時間が必要だろう。
「精益求精(絶えず向上をかさね、磨きをかける)」はかつて、「メイド・イン・ジャパン」の代名詞だったが、いまや信頼の失墜により「メイド・イン・ジャパン」の名誉も損なわれている。これは各国の企業にとっても重要な啓示といえよう。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年6月13日