日本の株式会社東芝は3月30日、中国の家電大手・美的集団が537億円を出資して、白物家電事業子会社の東芝ライフスタイル株式会社の株式の80.1%を買収することを明らかにした。美的は東芝がもつ白物家電関連の特許5千件以上と40年間の東芝ブランドのグローバルライセンスを取得することになる。人民日報が伝えた。
同じ日にシャープ株式会社も声明を出し、鴻海集団による3890億円の買収提案の受け入れを明らかにした。鴻海と3つの子会社は追加発行される普通株を買収した後、シャープ株の66%を保有することになる。
分析によると、日本の白物家電産業は目下、苦境の中で再編を加速させている。
日本の家電産業は1980~90年代に世界を席巻した。21世紀になると、韓国と中国のメーカーが技術の向上と価格の優位性によって徐々に市場シェアを拡大。日本メーカーは中国や東南アジアに相次いで生産拠点を建設したが、「高品質高価格」の位置づけはお値打ち製品を求める新興市場のニーズに対応できず、日本国内でも人口減少や内需減少の苦境に陥った。2010年以降、日本の8大メーカーは相次いで損失を出した。
100年の歴史をもつシャープは世界的な液晶産業の大手メーカーだが、市場情勢の判断の誤りから長年にわたって損失を出し続け、12年以降は銀行から2回の支援を受けながら、いまだに苦境から抜け出せずにいる。15年度(15年4月~16年3月)には1700億円の赤字が予想される。台湾地区の鴻海集団は世界最大の電子製品受託製造企業であり、傘下の富士康公司はアップル社の電子製品の主要製造企業で、液晶パネルには基本的にシャープ製品を採用している。メディアが伝えたところによると、鴻海が欲しいのはシャープの世界最先端の液晶パネル製造技術であり、アップルに対する価格交渉力の強化を目指す。シャープによれば、鴻海の買収後は、次世代有機ELパネルと新型家電の開発製造を重点的に進めるという。