東芝は日本の大手老舗メーカーで、日本で初めて洗濯機を製造した。だが昨年以来の不正会計事件の影響により、重大な危機と再編の苦境に直面している。英国の調査会社ユーロモニター・インターナショナルがまとめた統計によると、台数で計算した場合、2015年の美的の白物家電のグローバル市場シェアは4.6%で世界2位だった。東芝の白物家電事業を買収すると、東芝のブランドとルートを利用して日本と東南アジアでの販路を拡大し、グローバル戦略の推進を加速させる見込みだ。
シャープと東芝のケースを通じて日本電子産業が隆盛から衰退へと至る様子をうかがうことができる。ここ数年の間に、電子産業はこれまでの垂直分業モデルからグローバル規模の水平分業モデルへと移行している。バリューチェーンの川上にいるのはアップルを代表とする革新企業で、主に技術プラットフォームの構築とブランドの開発・販売を手がけ、製造は行わない。川下にいるのは鴻海を代表とする受託製造企業で、大手ブランドから生産を請け負い、スケールメリットで製造コスト引き下げをはかる。
日本の政策研究大学院大学の邢余青教授は、「美的や鴻海などの企業のこれまでの成功は新興市場の安価な労働力を十二分に利用することを土台としてその上に築かれたもので、規模は大きいが、バリューチェーンの下流に位置する。日本の有名家電メーカーを買収することで、バリューチェーンの上流へと飛躍するために必要な時間が短縮されるはずだ」と話す。
日本貿易振興機構(ジェトロ)がこのほど発表した日本の外資導入に関する報告書によると、14年にアジア諸国・地域が日本に対して行った投資は同年に増加した外資全体の60%を占め、西側諸国を上回ったという。また日本紙「日本経済新聞」は、新興市場国の企業が世界に活力を注入している。日本企業が欧米企業だけを見ているとしたら、経営面での可能性は大いに狭まることになる。日本企業は腰を低くすることを学ばなければならない、と報じた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年4月1日