中国は、国際秩序に欠けている分野について、自らの解決プランを提示している。「一帯一路」(1ベルト、1ロード)構想とアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、中国が世界に提供する重要な新型の公共財である。これらは排他的なものではなく包括的なものであり、勝者の総取りをねらうものではなく協力とウィンウィンの実現をはかるものである。これらの運用プロセスは、国際的に認められた準則にのっとり、現行の国際的なメカニズムの経験と教訓を十分に汲み取ったものであり、発展途上国の利益と関心をよりバランス良く反映したものとなる。
中国と米国は世界的な問題において幅広い共通利益を持っている。双方はいずれも国連の役割を支持しているし、世界的な挑戦への対応にあたっても相手との協力を必要としている。昨年、中米双方の合意が率先して達成されたことは、国連気候変動パリ会議(COP21)の成功の土台を固めた。だが中国は、米国の指導する「世界秩序」を全面的に受け入れるわけにはいかない。中国は、中国の政治制度に対する米国とその他の西側諸国による排除と制止に反対する。中国は、共同での安全を主張しており、排他的な集団的防衛によって世界を再び分断することには賛同しない。
世界では今後、権力がより分散し、直面する挑戦はより複雑なものとなる。世界は変化を必要としている。こうした状況において、各方面の利益の追求や統治意識を最大限に受け入れることのできる共同の屋根といったような、より包括的な秩序の枠組みを構想することはできないかを考える必要がある。
中国が平和発展の道を堅持することに揺るぎはない。世界の経済と安全の様々な不確定性に直面する中、中国は、自らの注意力が過度に分散することを望んでおらず、中国の平和的発展の外部環境が逆転することも望んではいない。もちろん中国の受け入れられない挑戦や脅威が出現した場合には、多くの手段やルートを通じてこれに対応することとなる。
中国人は「定力」を重視する。忍耐強く、時機と条件が整うのを待って判断するということである。最も重要なのは、まずは自らの事柄をきちんとやり遂げるということである。経済成長と繁栄を促進し、人々の幸福を増進することである。自身の能力が高まるにつれ、中国は、地域と世界の平和と発展により大きく貢献できるようになるだろう。中国は同時に、学習を続け、世界とより良く意思疎通できるようになる必要がある。(編集MA)
「人民網日本語版」2016年2月16日