エジプト人青年のムーシャンさん(30)は熱狂的な「武術ファン」だ。カイロで4年間にわたり中国語を勉強したあと、ついに2014年念願の中国の甘粛省にやってきて、西北師範大学で中国語学の修士号を取得した。この地で彼は初めての中国人の師匠韓秀娟さんに弟子入りし、師匠の指導のもと、南拳、南刀、南棍、太極拳、詠春拳など中国の伝統武術を習得した。きびきびとした形からきちんと入り、一挙手一投足は非常にプロらしく、気合も十分だ。ムーシャンさんは「エジプトではスポーツ選手以外、国民はほぼスポーツで身体を鍛えることはしない。道路や運動場をランニングするだけで、笑われる。しかし蘭州の大通りや黄河の川岸では朝のトレーニングや夜のランニングを行なっている市民をよく見かける」と話す。
寒波の到来で蘭州の気温は氷点下にまで低下したが、毎日武術の練習をする情熱は全く衰えることがない。取材の際にもムーシャンさんはパフォーマンスを行なうときの半そで衣装にわざわざ着替え、見事な南拳を演じてみせた。
ムーシャンさんは取材に対し、「子供の頃はいつもいじめられていた。当時、武術を学ぶことは自分と周りの人を守るためだけだった。今は武術に対して深く感じているのは身体を鍛えること、武術を通して友と交わること、武術の背後にある文化を感じられることだ」と語った。(編集JK)
「人民網日本語版」2016年1月27日