ラジオ放送「経済之声」の番組「天下財経」の報道によると、中国は広い範囲で寒波に襲われ、全国的に気温が下がっており、あちらこちらから「寒い」という声が聞こえる。今回の「急速冷凍」のような突然の寒さによる影響は、「雨が降れば傘を差し、寒ければ上着を着る」といった単純なものではなく、経済のさまざまな部分に及んでいる。
▽寒波が「おうち経済」と「防寒経済」を活性化
研究報告によると、寒冷な気候の影響で経済ペースが上昇しており、特に建築材料、交通手段、家具などの各産業に大きな影響があり、雇用市場の縮小もみられる。北部では青果店、自営の小売店などが春節(旧正月、2月8日)を前に早々と店を閉め正月休業に入った。このように厳寒の気候は人々を家にこもらせたが、ネットワーク経済には火が付き、外食産業・中食産業などのO2O(オンラインツーオフライン)産業は今まさに頂点を迎えようとしている。
上海市の場合、中食プラットフォームの餓了麼がまとめたデータによると、寒波の訪れで同プラットフォームの受注量は一日あたり3.87%増加し、寒波が激しくなり、同市の最低気温が0度を切ると、さらに4.65%増加した。データによれば、温度が5度下がると、受注量は4%前後増えるという。また同市静安区商務委員会によると、寒波の訪れを受けて、同区の強豊自動料理販売機や厨易時代などの無人料理販売機は、売れ行きが大いに増加したという。
寒波はオンライン市場にも火を付け、オフラインの小売産業にも大きなチャンスをもたらした。気温低下と暴風雨の南下にともない、0度の境界線も南に動いている。広東省の人の話によると、南方はなかなか冬にならなかったが、今は寒さに震えている。寒波が徐々に広東に広がると、これまでぱっとしなかった防寒用品の小売市場がいきなり活気を帯びてきたという。
一部の大手スーパーは各種電器暖房器具の在庫を増やした。同省中山市の蘇寧電器店の従業員は、「今は電器暖房器具の売上が前年同期に比べて76%増加した。温度が下がり続ければ、売上はもっと伸びるだろう」と話す。ダウンの衣料品や羽毛布団の売上がかなり好調で、ダウン製品専門店の責任者は、「昨年末まで、一日あたり数点しか売れなかったのが、今週は目立って売上が増加し、毎日20~30点の売上がある」と話す。