中国科学院大気物理研究所が発表した情報によると、中国人科学者は5年間を費やし、中国の炭素排出の「これまでの蓄積」を明らかにし、中国の温室効果ガスの「一部始終」を突き止めた。この成果はこのほど開かれた国連気候変動パリ会議の、学術面の見どころになった。人民網が伝えた。
科学者はこの研究を「炭素特別プロジェクト」と呼んでいる(正式名称は「気候変動対策の炭素収支認証および関連問題の研究」)。科学研究チームがエミッション・ファクターを実測し、中国の炭素排出量を計算したところ、この数値は従来より15%低下していることが分かった。この結論がネイチャー誌に掲載されると、国内外の科学者から注目を集めた。中国はこれにより、気候変動交渉における発言権を強めた。研究者はさらに、砂漠・荒野の地下塩水層の、これまで認識されていなかった炭素吸収源を証明した。この研究は、世界の炭素吸収源の認識を覆す可能性がある。
炭素特別プロジェクトの科学者は、中国初の炭素観測衛星の逆解析アルゴリズムの確立にも参与し、同衛星の今年下半期の打ち上げを支援している。特別プロジェクトの「衛星による温室効果ガス純排出量の逆解析」プログラムでは、世界最先端水準の温室効果ガスのモニタリング・検証サイトが開設された。同サイトは高水準の地上モニタリングと衛星による検証を長期的にサポートする。同プログラムの首席科学者、中国科学院大気物理研究所研究員の劉毅氏は、「中国は独自の天地・宇宙一体化温室効果ガスリモートセンシングモニタリングシステムを構築し、温室効果ガスの濃度と分布に関する動的データを全面的に把握できるようになる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月21日