安倍首相は米国で、防衛費の増加に意欲を示し、「経済が成長し、GDPが増えれば、社会保障の財政基盤は強くなり、防衛費をしっかり増やすことができる」と語った。だが第2次安倍内閣の発足以来、米ドル換算の日本のGDPは増えていないどころか、毎年縮小し、2012年の5.95兆ドルから2013年の4.92兆ドル、2014年の4.61兆ドルへと減少の一途をたどっている。つまり日本では防衛費が増える一方、GDPは減っており、前者が「5兆円超え」を果たした一方、後者は「5兆ドル割れ」に陥っているということである。最新データによると、日本経済は2015年第2四半期、年率換算で1.2%のマイナス成長となった。「日本経済新聞」が8月31日に発表した調査結果によると、安倍政権の経済政策を評価する人が37%いる一方、評価しないという人は45%にのぼった。
ここ数年の「アベノミクス」の芳しくない効果から見れば、「GDPが増えれば社会保障の財政基盤が強くなる」という妙案を安倍政権が持っているとは信じがたい。庶民の利益を犠牲にして国民生活向けの予算を大幅に削減したり、2020年度を目標とした「財政健全化計画」を放棄したりすれば話は別だが、そうなれば再び、世論や幅広い国民の反対に遭うことは確実である。安保法案の強力な推進を中心とした「安倍軍事学」と、足取りのおぼつかない「安倍経済学(アベノミクス)」との矛盾は、いつか爆発する日を迎えることになるだろう。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年9月29日