また東京の主婦・鈴木彩花さんも同じように、「銀座の目抜き通りに行くと中国人がぜいたく品を買う様子を見かけ、本当にお金持ちなんだなと思う。自分の住む板橋区には商業エリアがないので、中国人観光客を見かけることが少なく、何の不便も感じない。中国人が日本に旅行に来るのはもちろんいいことだ。自分は中国人観光客との接触がないので、好きかどうかは言えないが、メディアの報道でいろいろな問題があると知ると、中国人には日本社会の風俗習慣を守ってほしいと思う」と話す。
▽統計データは「中国人観光客のパワー」示す
14年に日本を訪れた中国人観光客はのべ270万人で同47%増加した。同年の外国人観光客の日本での観光消費は2兆円に達して記録を更新し、このうち中国人が約5600億円を占め、割合は40%を超えた。米国ブルームバーグ社によると、在上海日本国領事館がまとめた統計では、昨年に日本を訪れた中国人観光客の4割強が上海エリアからの観光客だった。
日本観光庁の最新の統計データによると、6月に日本を訪れた中国人観光客はのべ46万人、1~6月はのべ218万人だった。一人あたり平均観光消費の3カ月単位の統計をみると、5~7月の中国人の平均は28万5千円だった。
▽専門家の視座
日本中国語ガイド協会の劉剛名誉会長は、「与党の業績と経済振興にかかわるため、日本政府が中国人観光客にぜひ来てもらいたいと思っているのは当然のことで、民間も、特に観光産業と関連産業ももみ手をしながら歓迎する。だが中国人観光客にはさまざまな人がおり、行動もいろいろだ。日本人はあまり感情を表に出さず、相手に気まずい思いをさせないのが普通なので、その結果、一部の観光客がますます放埒にふるまうことになる。中国人の団体ツアー参加者はこのことを知っておくべきだ。フリーツアーの人は一般的に郷に入れば郷に従えを心がけているため、歓迎もされるし評判もいい。時間が経つにつれて、日本を訪れる中国人観光客のイメージは日々好転していくだろう」と話す。
また劉名誉会長は、「中国人観光客は人数が大幅に増加しており、日本の観光業者や都市の設備、また日本人の心の準備などにとって未曾有の体験となっている。一部の観光客の不適切な振る舞いや言葉の壁が、こうした圧力をさらに大きくしている。中国人観光客が自分たちのイメージをよくして、さらによいサービスを受けたいなら、自分自身をもっとよく振り返ることが必要だ。旅行の目的は何かなどを、よりしっかりと考えることが必要だ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月1日