全5話からなるドキュメンタリー「日本戦犯懺悔備忘録」が、17日から中央テレビ(CCTV)10チャンネルで放送されることになった。同作品は1950年代に中国政府が拘禁し、審判を下した歴史的事件を糸口に、これらの戦犯の帰国後の境遇や日本社会が普遍的に侵略の歴史を口にしたがらない理由、侵略の罪の反省を望まない理由などをさぐるものだ。中国新聞網が伝えた。
50年代、中国の撫順市、太原市では1109人の日本人戦犯を拘禁していた。1956年、中国特別軍事法廷は罪の重い日本人戦犯45人に審判を下し、1017人の戦犯の起訴を免じて釈放、帰国させた。中国に拘禁、審判を受けたすべての日本人戦犯が自身の罪を認めた。
帰国した戦犯は、日本社会が中国侵略戦争に対し懺悔を表明する中堅となった。彼ら自身によって彼らが中国で犯した殺人、放火、強姦といった罪が日本国民に打ち明けられることになったが、彼らの戦争への認識は当時日本社会では非主流で、彼らの親族ですらそうした観点を受け入れられなかったため、彼らが様々な場でそうした真相を口にすることを望まなかったという。
日本人戦犯が釈放、帰国して今年で60年近くが経つが、同作品の製作チームは100日余りの時間を費やし両国を跨いで取材、撮影を行った。この間、拘禁されていた日本人戦犯の関係者やその子孫約50人に取材を行い、連絡の取れる戦争体験者はほぼすべて取材し、素材撮影時間は約1万1200分あまり、収集した音声は約83万6000文字に及んだ。
あの戦争から70年が過ぎ去り、戦犯らは年老い、今戦争の真相を語れる人は10人に満たない。同作品では中国側の看守や公訴人、中国側被害者などにも取材を行っており、使用された映像資料はその多くが初公開のものだ。大量審判された日本人戦犯らが罪を認めた際の声も集中的に公開される。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年8月17日