世界銀行(世銀)のジム・ヨン・キム総裁は、北京で17日に開かれた記者会見において、中国金融システムを批判した内容を報告書から削除したのは、中国からの圧力によるものではないと明かした。環球時報が伝えた。
APF通信によると、世銀は今月1日、半期に1度公表される「中国経済報告」を発表した。報告書の一部は、中国政府が国内商業銀行の持ち株率を減らし、管理監督者が政治的関与を行うことを避けるよう督促する内容だった。2日後、この部分が報告書から削除された。某海外メディアは、「(削除されたのは)中国政府から圧力がかかったことによる」と憶測した。
キム総裁は17日、「問題の章が削除されたのは、世銀の通常の内部審査を経ていなかったという単純なミスが発覚したからだ。そのミスが発覚した時点で、正常なプロセスを経ていなかったこの内容はすでに発表されていたため、削除することとした。中国政府からの圧力が原因ということは全くあり得ず、世銀と中国政府がこの件について接触したことはない」と話した。
記者会見が行われた17日は、3日間に及ぶキム総裁の中国訪問の最終日だった。ある報道によると、キム総裁の訪中の目的は、融資発展やアジアインフラ投資銀行(AIIB)などの分野での中国との協力強化の可能性をはかることだったという。キム総裁は、「世銀とAIIBは、今後数カ月をかけて、共同融資も選択肢に含めた計画を探っていく。また、年末にワシントンで会議の場を持ち、共同投資をめぐる具体案について話し合う予定だ」と述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年7月21日