7月に入り、中国の大学に卒業シーズンが訪れた。今年、全国の大学を卒業する学生は749万人に上り、再び過去最高記録を更新した。これまでずっと、北京・上海・広州・深センなどの一線都市は、新卒生が最も希望する就業地だったが、生活コストの高騰や戸籍制度の制限強化を受け、「卒業後も一線都市に留まる」ことはますます難しくなり、これら一線都市の魅力もじわじわと低下している。中国新聞網が報じた。
清華大学が今年3月に発表した統計データによると、同校の卒業生で、北京以外の地で就業した人の比率は、3年連続で50%を上回った。今年2015年、北京以外で就業する卒業生はさらに増加する見込み。10年前は、同校卒業生の80%が、卒業後も北京で仕事をする道を選んでいた。
上海市教育委員会が6月に発表した統計データでも、今年、上海出身ではなく、卒業後上海を離れて仕事に就く卒業生は、例年よりやや増加し、20%以上と予想されている。
このほか、ここ数年、一線都市で住宅価格が暴騰していることも、多くの大学生が「尻込みする」原因となっている。北京を例にとると、統計データでは、2015年上半期、北京の分譲住宅平均価格は1平米あたり2万9222元(約58万円)に達した。
このほか、一線都市で就職する道を選んだ多くの既卒生も、生活上の大きな圧力に直面している。浙江の某大学マスコミ学科を今年卒業した宋さんは、数カ月前、北京の某テレビ局にインターンシップとして職を得た。彼女は、「今、毎月1500元(約3万円)の家賃は、安月給の新入りの『北漂(外地出身で北京に居ついた人間)』にとって、かなり重たい負担だ」とこぼしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年7月17日